禅の教えに「喫茶喫飯」という言葉があります。
「お茶を飲むときはお茶を飲むことだけに集中する。ご飯を食べるときはご飯を食べることだけに集中する」という意味です。
食事に集中することの大切さを戒める言葉です。
私たちは食事の際「ながら食べ」をすることが少なくありません。
本を読みながら食事、テレビを見ながら食事、スマホを触りながら食事。
心当たりを感じる人も多いのではないでしょうか。
忙しい日々を送っていると、ながら食べになりがちですが、それではきちんと食事に集中しているとはいえません。
別のことに気をとらわれていると、食事のおいしさも半減します。
食事のときは、余計なことをせず、目の前の食事に集中しましょう。
飲み物を飲むときは、飲み物に集中します。
ご飯を食べるときは、ご飯を食べることに集中します。
テーブルの上にあるのは食事だけにして、スマホや雑誌を置くことは控えたほうがいいでしょう。
急がず焦らず、よく噛んでゆっくり食べます。
食事に集中することで、雑念も消えます。
時間を有効に使いたい気持ちもありますが、丁寧に人生を生きるには、一つ一つを大切にすることが大切です。
食べることは命をいただくことですから、命に感謝するためにも、きちんと食事に集中するのが一番です。
喫茶喫飯を心がければ、よりおいしく味わえ、食事の時間も豊かになるのです。