一流の医者は、薬で治す前に、言葉で治すと言われます。
たとえば、体調が悪くて病院に行きます。
医者は病状を聞いてくるだけで、後は適した薬を手渡し、終わりです。
薬だけを手渡す医者は、冷たい医者です。
本当に相手の気持ちを理解しようとする医者は、薬の前に、言葉で癒してくれます。
「そうですか。それは大変でしたね。もう大丈夫ですからね」
同情して、心を軽くさせてくれます。
コミュニケーションでは、まず相手に同情することから始めましょう。
相手の気持ちを、相手に言わせるのではなく、あなたが言ってあげるのです。
「それは大変でしたね」
「つらかったでしょう」
「悔しかったでしょう」
「一生懸命でしたね」
相手の気持ちに同情できる言葉を口にすると「自分のことをわかってくれている」と感じ、安心します。
会話にも温かみが出てきます。
冷たい医者のように、病状を聞いて、薬だけを渡してしまうのではいけません。
相手の悩みを聞いて「こうすればいいよ」とアドバイスをするのと同じです。
間違ってはいないのですが、どこか心が冷たく感じられるのです。