教室では「何回通ったら、できるようになりますか」と聞く人がいます。
英会話教室で「何回通ったら、話せるようになりますか」と聞く人。
ゴルフ教室で「何回通ったら、スイングが良くなりますか」と聞く人。
習字教室で「何回通ったら、きれいな字が書けるようになりますか」と聞く人。
社交ダンス教室で「何回通ったら、踊れるようになりますか」と聞く人。
これは「最短でできるようになりたい」という効率主義の思考です。
上達の目安が知りたくて、純粋な気持ちから質問しているのはわかります。
しかし、趣味人に「何回通ったらできるようになるか」という問いはありません。
趣味は、反復作業が基本です。
反復作業を行いながら、果てしない追求を楽しむのです。
「同じことを繰り返すからつまらない」ではありません。
「同じことを繰り返すことに意義がある」です。
「何回やれば」「何回通ったら」というのは趣味人の発想ではありません。
趣味とは果てしない道を旅するようなものです。
ゴールやフィニッシュがあるわけではありません。
茶道・華道・武道のように、果てしない道をひたすら歩んでいくイメージです。
進もうと思えば、いくらでも進められます。
深めていこうと思えば、いくらでも深められます。
趣味には、フィニッシュはあっても、完全フィニッシュはありません。
趣味に飽きるのは、本人が勝手に飽きるだけです。
いつまでやっても終わりがないかわりに、どんどん奥を深めていく面白さがあるのです。
趣味人は「できるようになったら終わり」という発想はありません。
趣味人は、ひたすら奥を深めます。
ひたすら前に進み続け、ひたすら上を目指します。
そのための反復作業を楽しみます。
趣味の醍醐味とは、果てしない追求を楽しむことにあるのです。