試験勉強に役立つのが「一問一答」です。
基本的な知識が身につけば、一問一答で知識の確認です。
一問一答はクイズのような感覚があって楽しく勉強できます。
網羅された一問一答型の問題集では、基本レベルから発展レベルまであります。
なかには「そこまで覚える必要があるの?」と思われる難問もあります。
出題率が極めて低く、教科書にも載っていないような知識を問う問題です。
そうした問題を「くだらない問題だ」と言う人がいます。
「覚えたところで時間の無駄」「試験ではほとんど出題されない」という意味で言っているのでしょう。
本人に悪意はなく、言わんとしている意味はわかるのですが、気になるのは言葉遣いです。
「くだらない問題」という言い方には、ややとげがあります。
問題文や回答には、地名や人名が含まれていることがあります。
「くだらない」という言い方をすると、その土地や人物のことを悪く言っていると誤解される恐れがあります。
軽い気持ちで言っているのでしょうが、こうした場面での言葉遣いは注意したいところです。
高校日本史では、大学の入試問題で「金印を発見した人の名前は?」という難問が出題されたケースがあります。
答えは「甚兵衛」です。
まったく普通の農民であり、受験生でも知っている人はなかなかいません。
大学入試の日本史で「解体新書の挿絵を描いたのは誰か?」という問題が出題されたことがあります。
答えは「小田野直武」です。
これも高校日本史では難問レベルであり、歴史好きな勉強家でないかぎり、即答できる人は少ないでしょう。
こうした問題のことを「そこまで覚える必要があるのか。教科書にも載っていない。くだらない問題だ」と言わないことです。
関係者が近くにいないとも限りません。
甚兵衛は、地元の福岡では金印を見つけた人物としてよく知られています。
小田野直武は、地元の秋田角館では有名で、英雄として扱われています。
うっかり関係者の耳に入ると、その人をむっとさせるでしょう。
自分では普通に言ったつもりでも、余計な誤解・思わぬトラブルを招く可能性があります。
せっかく勉強して博識になっても、肝心の言葉遣いが悪くなっては悪印象につながるのです。
では、どのように呼べばいいのか。
「ハイレベルの問題」「マニアレベルの問題」と呼びましょう。
「ハイレベル」「マニアレベル」という言い方には博識なニュアンスがあります。
侮辱するような意味が含まれていないので、いつでもどこでも使えます。
そのほか「細かい知識を問う問題」「重箱の隅をつつくような問題」といった言い方もOKです。
ささいなポイントですが、だからこそ気をつけたい。
言葉遣いは、品性に関わる大事なポイントなのです。