子どもが山で行方不明になったとき、上のほうを探すと見つかりやすいと言われます。
子どもは上に上がろうとする習性があるからです。
斜面があると、とりあえずよじ登ろうとします。
坂道があると、無性に駆け上がろうとします。
引き寄せられるように「上へ、上へ」と向かう行動パターンが見受けられます。
迷子の子どもを探す際、重点的に上のほうを探すと、あっさり見つかるのです。
山に限った話ではありません。
公園に大きな木があれば、よじ登ろうとします。
滑り台も、喜んで階段を駆け上ります。
ジャングルジムやアスレチックも「上へ、上へ」と行こうとし、できるだけ高いところを目指します。
とにかく上に上がりたいのです。
上に上がろうとするのは、人の本能です。
子どもに限ったことではなく、大人も同じことです。
もちろんあなたの中にも、上に上がろうとする本能があります。
ところが残念なことに、大人になると、上に上がろうとする本能が弱くなります。
現実を見てしまうからです。
「疲れるなあ」と思ったり「お金がかかるなあ」と心配したり「どうせ無理だよね」と早々に諦めたりします。
本当は上に上がりたいのに、あれこれ現実的な考えが頭に浮かぶせいで、正直な気持ちをごまかします。
いつの間にか上に向かう気持ちが打ち消され、封印している状態です。
これは実にもったいないことです。
いま一度、自分の中にある野性的な本能を呼び起こしてください。
子どもの場合、物理的に上を目指していました。
大人の場合、技術的・精神的に上を目指すことへと変化します。
あなたの中にも「上を目指そうとする心」があるはずです。
「成長したい」「視野を広げたい」「スキルアップしたい」「キャリアアップしたい」などは、上に上がりたい本能の一種です。
現実的な考えにとらわれるのではなく、いま一度本当の自分を引き出しましょう。
「上に上がりたい」という正直な気持ちに従うだけでいいのです。
やりたいことがあれば、どんどんチャレンジしましょう。
行きたいところがあれば、どんどん足を運びましょう。
知りたいことや学びたいことがあれば、向上心を爆発させてください。
自分を縛り付けている縄をほどくことです。
自分を抑え込んでいる封印を解き放ち、上に上がりたい気持ちを爆発させましょう。
上に上がれば上がるほど視点が高くなり、遠くまで見渡せるようになります。
どんどんできることが増え、どんどん自分に自信がつき、誇りが持てるようになります。
上に上がっていけば、新しい自分と出会えます。
上を目指す本能を呼び起こし、人生に熱狂しましょう。
上に上がりたい本能は、爆発させるためにあるのです。