10代のころ、楽しいことがよいことで、つまらないことが悪いことだと思っていました。
自分がわくわくすることこそが、自分のためになり、よいことだと思い込んでいました。
食事のしつけの厳しい親から、よく食事中にはうるさく叱られていたものです。
「箸の持ち方がおかしい」
「座り方がおかしい」
「食事中はトイレに行くな」
「口を開けながら食べるな」
つらい経験をしていると思っていたため、たしかに当時は幸せなことはありませんでした。
「つらい人生なんて、意味がない」
「なぜ自分ばかりこんなに叱られないといけないんだ」
つらいことは、嫌なことだと思っていたのです。
しかし、年齢を重ねていくにつれて、考え方が変わります。
今の自分は、昔あった楽しいことや面白いことより、つらかった経験のほうが役立っているということに気づくのです。
親からの厳しい食事マナーも、当時は大変でしたが、今は役立っています。
勉強を押し付けられて、できなければ叱られました。
今になって思えば、親が子のことをそれだけ真剣に考えてくれていたことに気づきます。
昔の厳しい経験は、今思えば「ああ。あのおかげなんだな」と感謝すらできるようになります。
楽しいことがよいことであり、つらいことは悪いこととは限りません。
厳しかったことやつらかったことは、後になるほど、不思議なことに自分の精神的な強さへと変わります。