生きとし生けるもの、すべてに時間があり、比例して古くなります。
「老いる」という現象です。
川の流れに逆らうことはできても、時間の流れに逆らうことはできません。
物質的でもなく、精神的でもなく、絶対的なものです。
人間も同じく命のある生物として、時間という絶対的な流れに身を任せ、年を取っていきます。
若い時期があれば、老いた時期もあります。
しかし、この2つを比べてみると明らかなことですが、若い時期のほうが圧倒的に短いのです。
活力も、パワーも、やる気も元気も体力もあります。
肌のつやや記憶力も、すべてがフルパワーの時期なら、やりたいことも思う存分できるでしょう。
しかし、若い時期ほど、あっという間に過ぎていきます。
若い時期に何をしておくかは、人生の豊かさを決めるうえで大切なことになります。
若い時期は、すべてが当たり前だと思っています。
運動場を何周も走り回れる体力。
健全な健康。
夢を叶えようとするやる気。
疲れを知らない元気。
素晴らしい記憶力。
かけがえのない家族。
何でも話し合える友人。
若い時期は、そうしたことは初めから何の努力もなく手にしているだけに、ずっとそれが続くものだと思い込んでしまいます。
しかし、年を取っていけば老いには逆らうことはできません。
衰えを目の当たりにするときには、初めからあった当たり前の現実も、どんどんと失われていることに気づきます。
無理をしたほうがいいと言っているのではありません。
まだ若いなら、今のうちにできることを優先しておいたほうが、後から役立ちます。
若い時期だからこそ、できることがあるのです。
後からでは、体と元気が追いついてこないからこそ、若い時期にその特権を生かし、いろいろと経験しておくことが大切なのです。