負けて初めてわかることがあります。
自分が負けた悔しさや悲しさなどは、負けないかぎり絶対に経験できないし味わえないことです。
また「負けた原因」ということも、実際に負けてみないとわからないものです。
負ける原因がないということはなく、負けたからには必ず原因が存在します。
悔しさや悲しさ、負けた原因など、自分が負けたときに初めて現れる先生です。
勝ったときにしか出会えないことがあることと同じように、負けないと出会えないこともあるのです。
勝ったときには勝った人だけが経験できることがあります。
負けた人には、負けた人だけが経験できることがあります。
これはもはや「特権」です。
その経験をした人でないと出会えないことがあるということは、勝っても負けてもどちらも重要だということです。
もし負けたり失敗したりすれば、その悔しさを存分に味わっておきましょう。
そのときしか出会えないことは、そのときしか出会えません。
その瞬間しか表れない大切な存在です。
負けないとわからないことは、実際に負けてみないとわかりません。
この経験を大切にしてほしいと思います。
あなたが今つらいと感じていることは、誰でも感じることができるということではありません。
そういう経験をしているあなただけが得られる特別な経験です。
その経験の善しあしにかかわらず、経験をしないと学べないことは、その経験をしているあなたしか感じることができないのです。
今のうちに思う存分学べることは、学んでおいてください。
あなたしかできない経験なら、なおさら後から貴重になります。
私には大学受験に失敗し「浪人」という時期を送った経験があります。
私の人生の中でつらい思い出の1つでもあり、また自分の力になった大切な時期でもあります。
当時私は「自宅浪人」と言って、学校には所属せず自分の家で好きなだけ勉強するというスタイルを取っていました。
比較的、自己管理は得意だったこともあり、自分でスケジュールを組んで、好きな時間に好きなだけ勉強していました。
書くのは簡単ですが、当時は本当につらい時期だったのです。
まだ18、19歳だった私が家でこもりきりになる状態は、精神的におかしくなる寸前でした。
周りに友人がいなくて、自分の家で監禁されたかのような毎日を送っていると、本当に頭がおかしくなります。
まさにその経験は、経験者でなければわからないということです。
毎日同じ日の繰り返しで、勉強のことばかり考えています。
勉強は好きでしたが、毎日やっているとさすがに頭がぼうっとしてきます。
食事も不規則で、いつが朝食なのか昼食なのか曖昧な状態です。
そんな状態だったからこそ、自分でもやばいなと思いました。
どんどん深入りして、迷路をさまよっているようでした。
このときの経験はつらいものでしたが、その後の私の思考力に多大な影響を与えた出来事になりました。
私が今いろいろとたくさんの物事を書いているのも、ほとんどはそのときの経験をバネにしています。
つらい時期は、裏を返せば自分向上のためのバネにできる時期ということです。