好きなことばかりやっていると、自然と知識や知恵が身につきます。
好きだから努力も我慢も忍耐も不要です。
わくわくという楽しい気持ちしかありません。
私は小さいころから機械系が得意でした。
コンデンサー、小型モーター、小型集積回路などの組み合わせを使って、機械ばかりいじっていました。
そもそも父が機械関係の会社に勤めていたため、家には機械の部品がごろごろ転がっていました。
こうした環境が機械に触れるきっかけになったのです。
私が機械系に強くなったのは、父からの影響があります。
「将来はロボットを作る!」
当時はそのように本気で考えていて「キテレツ大百科」のキテレツに憧れを抱いていました。
私の父はそれを見て「そんなことはどうでもいい……」とは言いませんでした。
代わりに「もっとしなさい。好きなだけしなさい」と言いました。
才能は好きなことの中に存在し、好きなことに没頭することこそ個人の能力が発揮されることを知っていたのでした。
学校では一番点数のいい科目ばかりを勉強していると叱られます。
理科で100点を取って、理科ばかり勉強をしていると「もう理科はいいから、算数の30点を何とかしなさい」と叱られます。
「得意な勉強はしなくていい。苦手な勉強こそ克服しなければいけない」という学校側の考えに、当時から疑問を抱いていました。
成人して大人になった今、振り返ってみると、好きなことばかりをやっているほうが現在の役に立っていることに気づきます。
嫌いな勉強が今の支えになっていると言うより、好きな勉強が今の支えになっています。
小さなころに機械いじりが好きで没頭できたおかげで、その分野に関して得意になり、今はその延長の仕事をしています。
給食で食べられないものを無理やり食べさせて、おいしく食べられるようになった話など、聞いたことがありません。
同じように、気持ちがない勉強を無理やりやって、それが将来の才能につながるということはないのです。
将来につながることは、好きな勉強や好きな科目という「好きの中」に存在するのです。
苦手なことを克服しようとする努力があれば、好きなことを思う存分勉強する努力に注ぎましょう。
個人の能力の差別化にもなり、武器へと変わるのです。