若さの特権としてまず挙げられることは「失敗」です。
若いうちは、失敗を何度やっても許されます。
失敗の度合いにもよりますが、どんな失敗でも周りの大人たちは「まだ若いからね」と言って許してくれます。
テストで点数が低くても「次から頑張りなさい」と許してくれます。
算数で少々計算が間違ったところで、誰かの迷惑になるわけでもなく、その失敗経験を踏み台に自分の弱点がわかります。
しかし、大人になってから仕事で計算を間違えると、大変なことになります。
レジでおつりを間違えたり、報告書の数字や計算ミスをしてしまったりすると、叱られるだけでなく「責任を取れ!」と言われます。
私も新人のころは、仕事がわからなかったり間違えたりと失敗ばかりでしたが、上司たちは「まだ若いからね」と許してくれました。
失敗は、恋愛も同じです。
少年時代の恋愛は、練習と思ってもかまいません。
女性との接し方や付き合い方など、わからないことがたくさんあります。
若いころにやってみることで「何をして良いのか」や「何をしたら悪いのか」がだんだんわかるようになります。
たとえ失恋をしても、大金を請求されるわけでも借金を背負うわけでもなく経歴に傷がつくわけでもありません。
ささいな精神的なダメージだけで済みます。
子どもの恋愛は情熱的にもかかわらず、失敗しても、社会的な打撃は小さくて済みます。
しかし、大人になって結婚してからの失敗は、痛いだけでは済みません。
離婚をしたら「離婚歴」という経歴がつきます。
別れ方によっては、慰謝料や子どもの養育費を支払う必要も出てくるでしょう。
また自分だけがつらくなるだけでなく、自分のお父さんお母さんにも悲しい思いをさせてしまいます。
大人になってからは、若いうちのような付き合い方ではいけないのです。
私は19歳のころ、結婚を真剣に考えてお付き合いをしていた女性がいました。
恋愛に不慣れな私は、いつも舞い上がっており、付き合ってまもなく「彼女以上に良い女性はいない」と思い込んでしまったのです。
若い人にありがちなことですが「すぐ結婚を考えてしまった」のです。
世の中には多くの女性がいるにもかかわらず、視野が極端に狭くなって、目の前のことにばかりとらわれた状態になっていました。
ほかのことが考えられないようになっていたのです。
そのときは、彼女一筋になっていたため、友人との付き合いも悪くなっていました。
友人とのコミュニケーションが極端に減り、彼女とのコミュニケーションばかりが極端に増え、バランスの悪い生活でした。
あらためて考えると、若いがゆえの失敗です。
まだまだ恋愛におけるルールを知らない私は、今思えば恥ずかしいことばかりしていたことしか思い出せません。
しかし、おかげで今は女性と普通に話ができ、恋愛にも冷静になれ、踏み外す経験が少なくなりました。
踏み外しそうな瞬間「あのときと同じ失敗は繰り返さないように」と、心の声がささやいてくれるからです。
思い出したくもない恥ずかしい経験ほど、後になるほど役立っているのです。
若いうちの失敗は、踏み台にしていくことが必要です。
若いうちにはどんどん勉強でも人間関係でも恋愛でも何でも、できるだけたくさんの失敗をしておくほうがいいのです。