子どもは、質問の達人です。
子どもにとって世の中は、不思議に満ちた世界に見えるのでしょう。
知らないことやわからないことがあれば、すぐ質問します。
「これは何ていう名前なの?」
「これはどんな意味なの?」
「どうして○○になるの?」
恥や体裁を気にせず、何でも積極的に質問するのが印象的です。
きっとあなたも親を質問攻めにして困らせた経験があるのではないでしょうか。
ところが私たちは、年齢を重ねて大人になるにつれ、質問の数が減っていく傾向があります。
気になっても「まあいいか」と、スルーをすることが多くなります。
「質問したところで余計な仕事が増えるだけ」と懸念して、好奇心を封印していきます。
質問をしなくなるから、どんどん好奇心が薄れていきます。
好奇心が薄れていくから、さらに質問しなくなるという悪循環です。
時には人目を気にして、質問をためらうこともあるでしょう。
「質問するとばかと思われるのではないか」という不安を覚えます。
大人になるにつれて恥や体裁を気にして、質問を控える傾向が強くなります。
しかし、疑問点や不明点を放置していては童心に返れません。
童心に返るなら、意識的に疑問を持ち、積極的な探求を心がけることが大切です。
固くなった心を柔らかくして、純粋な興味と探究心をよみがえらせることで、童心に返ることができます。
では、大人も子どものように何でもすぐ質問すればいいかというと、そうではありません。
すぐ質問すると「自分の頭で考えない人」というレッテルを張られることになるでしょう。
「少しは自分で調べたらどうなんだ!」と言われるに違いありません。
大切なのはプロセスです。
不明点・疑問点があるとき、いきなり人に質問するのではなく、まず自分で調べる努力をしましょう。
誰かに質問したい気持ちもあるでしょうが、ぐっとこらえること。
辞書を引いてみたりインターネットで調べたりなど、不明点・疑問点があっても、できるだけ自分の力で解消していきます。
調べるときは「謎解きゲームの感覚」を大切にしましょう。
謎解きゲームをしているつもりになれば、わくわくどきどきしながら楽しく調べていけます。
なかなか疑問が解消されなくても、謎解きゲームと思えば、根気が生まれて粘り強く調べていけるでしょう。
自分なりに努力して調べて、それでも答えが出なくて行き詰まったとき、初めて質問するようにしましょう。
質問の際「こんなふうに調べてみたのですが、どうしてもわからず行き詰まっています」といった言い方ができるようになります。
きちんと調べる努力をしたことが相手に伝われば、快く回答してくれるでしょう。
疑問を持つことは大切ですが、最初は自分で調べることから始めることです。