あなたは自分が持っている才能を、自分では「当たり前のこと」と思っています。
できて当たり前、やって当たり前、これくらい当たり前。
そのため自分が持っている能力を素通りし、大したことではないと思っています。
しかし、ほかの人から見れば「おや」と思われ、あなたの特異な部分に気づいてくれます。
自分で自分のことを観察することも大切ですが、視点を変えてみましょう。
あなたが他人から、よく褒められることは何ですか。
自分では当たり前のことでもかまいません。
いろいろな人から「共通して言われた褒められた部分」が、あなたには驚くべき才能の種である可能性は大きいのです。
自分では当然のことと思っていますから、他人から「すごいね」と言われても「そうかなあ?」「これくらい普通だよ」と感じます。
しかし、それはできる人だからこそ思うことであって、できない人には輝いて見えるのです。
私は幸せに関するジャンルにおいて、昔から考える癖がありました。
習慣と言ってもいいでしょう。
時間さえあれば「幸せとは何だろうか。何のために生きているのだろうか」とよく考えていました。
小学生の低学年のころから、意識し始めたのを覚えています。
しかし当時は、誰もがそう考えているものだと思っていました。
世の中がわかるにつれて、幸せや生きる目的など、自分なりに答えが出せるようになりました。
考える習慣が日常的でしたから、いろいろなジャンルについて、散歩をしながら物思いにふけっていたものです。
こうしたことは、誰でも同じようにしているものだと思っていました。
しかし、これが22歳ごろに出会った美容師の方に話してみると、驚かれたことがきっかけでだんだん変わります。
40代半ばの女性の美容師なのですが、2週間に1回は髪を切ってもらっていたので、だんだん仲良くなっていきました。
かなり個人的な話もするようになりました。
日頃から考えていることを話していくうちに「そんなことまで考えているの!」と言われてしまいました。
私は「これくらいは誰でも考えていることだと思いますよ」と答えていました。
「大人でも考えている人は少ない」
「大人のほうが人生諦めてしまい、考えるどころか愚痴や病気の話ばかりをしている」
そう言われ、私もそのときは深く心に留めていませんでした。
ところが、友人に「考えていること」を話すと「考えたこともない」という反応をされる結果でした。
このころから、周りは考えていないことなんだと気づきました。
中には、気にもかけていない人もいるようです。
これは私には驚きでした。
てっきりほかの人も考えていることだと思っていました。
何も考えていなかったことを知ると「じゃあ今まで何を考えて生きてきたのか」と、逆にこちらが驚いてしまいました。
また友人の中には「なるほどね」と褒めてくれる人もいてくれて、自分の考えは普通じゃないと気づき始めたのです。
自分では当たり前で、口に出すのが恥ずかしいくらいのことのほうが、ほかの人には驚かれることだったりします。
自分の生活をちょっと振り返ってみましょう。
当たり前だと思っていることは、意外に当たり前ではなかったりします。
当然と思うことでも、ほかの人からすれば驚きであったりします。
自分の生活を振り返り、ほかの人から共通して褒められたり驚かれたりすることを思い出してみましょう。
意外にそれが、あなたの特異な能力であったりするのです。