人間の能力には「得意なこと」と「好きなこと」の2つがあります。
似たような印象を受けますが、実態はまったく別物になります。
得意なこととは先天的であり、好きなことは後天的です。
生まれつき得意なことはありますが、好きになるのは環境や出会い、タイミングによって変わってくるものなのです。
もちろん得意なことでも嫌いなことはありますし、好きなことだからとはいえそれが得意なこととは限りません。
基本的に、別々のものと考えましょう。
しかし、才能が開くであろう最も理想的な形は「得意なこと」が「好きなこと」であるという状態です。
「好きな上に得意」「得意で好き」という状態です。
才能を開くために必要なことは、自分の特質をよく知り、得意なことを自分の好きなこととしてプラスさせていくことです。
ごくまれな才能に恵まれるためには、自分が何を得意とし、どんなことに向いているのかという「特質」を知らなければなりません。
そのためには、自分についての研究が必要です。
軽い気持ちでもいいので、子どものころから、いろいろな挑戦をしておくことです。
三日坊主でもいいため、まず自分の特質、特性、個性や性格を知るために、手当たり次第にまずやってみるのです。
すると、同じ時間で同じ努力をかけているにもかかわらず「伸び」の大小に大きな違いが出てくることに気づきます。
たくさん努力しているのに伸びが小さいことや、少ししか努力していないのに伸びが大きいことがあります。
少しの努力でも大きく伸びていくことがあなたに向いていることであって、才能になる可能性は高いのです。
私の場合も、初めにコンピューターは得意で、親からの教育もあって小学校4年のころからパソコンに慣れ親しんでいました。
好きだから始めたわけでもなく、得意だから始めたわけでもなく、機会があったから手をつけてみたというささいなきっかけです。
しかし、これが意外なことに、やり始めるとはまってしまい短期間に伸びていきました。
なぜなのかはわからず、これこそ人それぞれにある「特質」といわれるものです。
私はもともとコンピューター関係に向いている性格だったようで、やっていくうちに後からだんだん好きになっていきました。
学校のように宿題が出ることもなく、先生に叱られるということもありません。
のびのび遊びながら勉強することができたおかげで、好きになり「得意なこと」と「好きなこと」が一緒になってしまったのです。