勧誘に弱い人には、八方美人という共通点があります。
勧誘につい引っかかってしまう人は「誘いを断ると相手に悪い」「嫌な人だと思われたくない」というようなことを考えています。
つまり、人の目をとても気にしているのです。
四方八方からの人の目を気にして、自分でコントロールする人生ではなく、他人にコントロールされる人生を歩んでいます。
人からの印象を下げたくないから、NOと断ることができずに、ついYesと答えます。
八方美人になり、そうして自分がダメになってしまうのです。
では、なぜ八方美人になってしまうのでしょうか。
それは「孤独になることが怖いから」です。
私は、中学生のころ、典型的な八方美人でした。
先ほど書いた「誘いを断ると相手に悪い」「自分は嫌な人だと思われる」という話は、実は以前の私のことです。
中学生のころ、友人から嫌われ、寂しい思いをすることが怖かったため、他人の話に合わせ、みんなと同じ行動をしていました。
嫌われることが怖かったため、いつも人の顔色ばかりを伺っていたものです。
私が私をコントロールしているのではなく、みんなに合わせて私も合わせるといった感じです。
コントロールしているようで、実はコントロールされているような感じです。
そのため自分でも自分の好みがよくわからなくなり、いつも道を踏み外していました。
ですが、ある転機が訪れます。
みんな、自分のことなど気にしていない事実に、ふと気づくのです。
自分のことを思っているのは実は自分だけで、ほかの人は私のことを見ていなかったりします。
たとえば、修学旅行の写真です。
修学旅行では、一同が揃って写真を撮る記念撮影がありますよね。
みんなで撮った写真にしても、写った写真の中で注目している人物は自分の顔ばかりです。
「変に写っていないかな」
「おかしく写っていないかな」
自分の写真の写り具合ばかりを気にします。
大勢が写っている写真ではありますが、自分の顔しか見ていないし、気にしていないのです。
ほかの人の写り具合など、知らないふりです。
むしろほかの人の写り具合は、いつも自分よりよく見えます。
実際、そう思っている人は自分だけでなく、みんなも同じなのです。
ほかの人も同じように「変に写っていないかな」「おかしく写っていないかな」と自分の顔ばかりを気にしています。
他人の写り具合は、おまけ程度です。
少しでも自分の写真写りが悪ければ「変な人だと思われる。もうダメだ」と思います。
しかし、ほかの人は気にもしていないし、見てすらもいなかったりします。
みんな、自分の写り具合の鑑定に必死なのです。
あなたもきっと同じことでしょう。
嘘だと思うなら、みんなで一緒に撮った修学旅行の写真を取り出してみましょう。
最初に見る人物は、自分のはずです。
一番注目し、気になる人物も自分のはずです。
そのうえ、ほかの人の写りぐあいが多少悪くても、気にしないはずです。
自分のことではなく、人ごとだからです。
関係ないからです。
それはあなたに限らず、ほかの人も同じことなのです。
みんな自分のことだけしか注目しておらず、自分が見られていると思っているのは自分だけだったりするのです。
大きな勘違いを1人勝手に思い込み、自分で自分を縛り付けていただけです。