「心を開いてほしい」
「ありのままでいてほしい」
「ひねくれず自然体でいてほしい」
相手に素直になってもらいたくて困ることがあるでしょう。
相手が意地っ張りだったり心を閉ざしていたりすると、なかなか自由な会話を楽しめません。
堅苦しい雰囲気が漂って、普通の会話をするにも一苦労でしょう。
相手に素直になってもらいたいとき、あなたならどうしますか。
シンプルな言い方なら「素直になってほしい」という一言でしょう。
裏の意味も特別なニュアンスもなく、普通の一言です。
わかりやすい言葉で、誤解を生むこともありません。
ストレートな言い方をしやすい場面ですが、注意が必要です。
実際のところ「素直になってほしい」と言ったところで、うまくいかないことが大半でしょう。
「素直になってほしい」とお願いするだけで解決するなら、誰も苦労しません。
相手はそっぽを向いて、無視するか聞き流すかで終わるでしょう。
素直でない相手に「素直になれ」と言ったところで無意味です。
むしろ逆効果になる可能性があります。
「素直になりなさい!」と命令して、相手が「はい、わかりました。今すぐ素直になります」ということはありません。
命令するような言い方では、不快感を与え、反感を生みます。
相手はますます心を閉ざし、素直になれなくなります。
命令口調の言い方に気分を悪くして、ますます頑固がエスカレートする。
「素直になれ!」と言えば言うほど、相手は頑固になっていく悪循環があります。
ストレスやプレッシャーを与えるような言い方は、本当の解決策にはつながりにくいのです。
では、相手に素直になってもらうためにはどうすればいいか。
思いやることなのです。
いったん自分の立場や都合は忘れ、まず相手の都合や立場で接するようにしましょう。
相手の考えや気持ちにフォーカスして想像します。
相手の心に寄り添うと、自然とふさわしい言葉が浮かんできます。
「わかるよ」
「大変だよね」
「一生懸命だね」
「無理を言ってごめんね」
「もう少し早く気づいてあげればよかったね」
相手の心情を推し量って、同情や共感をしながら接していくと、だんだん相手は心を開いていきます。
あなたの優しさが相手に伝われば、だんだん相手は「自分をわかってくれている」と感じます。
だんだん気持ちが穏やかになり、素直になっていくのです。
「どうして自分から先に思いやらなければいけないのか。そこまで気遣うのは面倒」
そう思うかもしれませんが、円滑な人間関係を実現するためには、自分から先に配慮することも大切です。
どちらかが先に思いやらなければ、素直になる道も絶たれます。
特に頑固な人なら、徹底的に思いやると効果的です。
頑固な人ほど、思いやりに弱い。
思いやりで接すると、すぐ素直になってくれるでしょう。
いらいらして余裕がないときもありますが、できるだけ思いやりの心で接するようにしてください。
少しでも心を大きくして、相手を包み込むように接することがポイントです。
相手に素直になってもらうコツは、思いやることにあるのです。