人は、嫌な記憶に苦しめられることがあります。
大失敗の出来事。
大恥をかいた出来事。
心を傷つけられた出来事。
失恋・いじめ・不幸といったつらい経験もあるでしょう。
思い出すたびに、当時の不快な記憶と感情が呼び起こされます。
忘れたいのに忘れられなくて苦労することがあるでしょう。
人は、ネガティブな出来事ほど、鮮明に覚える傾向があります。
好き嫌いの感情を処理する扁桃体と、記憶をつかさどる海馬は、隣り合わせです。
快・不快の出来事で扁桃体を刺激すると、同時に海馬も刺激することになるため、記憶に残りやすくなります。
感情が伴った出来事は覚えやすくなるのです。
特にネガティブな出来事ほど、強い感情が伴っているので、記憶にも深く長く残りやすい。
つらい記憶は、思い出すだけでストレスを感じます。
しかも忘れようとするとき、厄介な悪循環があります。
忘れようと意識をすればするほど、思い出すことになるため、ますます忘れられなくなるのです。
嫌な記憶は、なかなか厄介です。
背後霊のように、どこに行こうと付きまとってきます。
忘れたい記憶にもかかわらず、頭から離れず、苦しめられることも多いのではないでしょうか。
では、嫌な記憶を忘れるにはどうすればいいのか。
シンプルな方法です。
忘れられないなら、無理に忘れなくていい。
気にしなければいいのです。
もうほうっておきましょう。
忘れようと意識しません。
とにかく気にしない。
いい意味で、忘れる努力を放棄しましょう。
気にしそうになったら、すぐ別のことに取り組んで、気をそらすようにします。
仕事に集中するのもよし。
趣味に没頭するのもよし。
運動で体を動かすのもよし。
上手に気持ちを紛らわせましょう。
忘れようと努力しないことが大切です。
忘れようとしないことで、嫌な記憶に触れることがなくなります。
人には「忘れる」という優れた能力が備わっています。
時間が経つにつれて、少しずつ記憶が薄れて、忘却に向かっていきます。
気づけば、ほとんど思い出せないほど、記憶が希薄になっているのです。
気にしなければ、時間はかかりますが、少しずつ忘れることができます。
忘れられないなら、無理に忘れなくていい。
気にしなければいいのです。