万能人間になろうとしていませんか。
何もできない人より、何でもできる人のほうが、よいに決まっています。
できることなら、すべてを完璧にしたいと思うでしょう。
頭がよくて、スポーツもできる。
すべての人から好意を持たれる。
あらゆる能力を身につけ、何でもできる。
世の中のすべてを知り尽くしている。
できないことは1つもなく、まさに万能の力を手に入れている。
万能人間になれば、さぞ幸せな人生を送れると思うでしょう。
しかし、ここに落とし穴があります。
万能人間を目指すのは、響きはよくても、大変危険です。
世の中の情報は、無限にあると言っても過言ではありません。
世の中のすべてを知り尽くそうとすると、いくら時間があっても足りません。
勉強しているうちに人生が終わってしまうでしょう。
あらゆる能力を身につけたくても、人には「適正」があります。
適正のあることならスムーズに上達しますが、適正のないことはなかなか上達しません。
適正のないことを無理やり上達させたところで、才能のある人があっさり抜いていくでしょう。
すべての人から好かれたくても、相性が合わない人もいるはずです。
人の好みは人それぞれであり、千差万別です。
どうしても生理的に受け付けない人もいるでしょう。
無理やりすべての人から好かれようとすると、八方美人になってしまい、自分を見失ってしまいます。
人の頭脳には限界があります。
人の肉体にも限界があります。
人間関係にも限界があります。
あれもこれも完璧にしようとすると、どれも中途半端で終わります。
夢を追いかけるのは大いに結構ですが、実現不可能な夢を追いかけるのは不健全です。
では、どうするか。
万能人間になるのは諦めることです。
人生では諦めないことが大切ですが、万能人間だけは例外です。
それは、不可能だからです。
最初から不可能なことは、最初から潔く諦めておくのが賢明です。
万能を諦めると、肉体的にも精神的にも余裕が出てきます。
万能人間になるのではなく、自分の適正と才能に集中しましょう。
万能人間を諦めると、限られた資源を有効活用できるようになります。
万能人間を諦めることで切り開ける道があります。
あれもこれもやろうとするのではなく、自分ができることに集中しましょう。
何でも得意になろうとするのではなく、得意なことができるだけでいい。
自分ができることに集中して、その分野を突き詰めることです。
すべてを知る必要はなく、仕事や生活に必要な知識で十分です。
必要になれば、そのときになって勉強しても間に合います。
間に合わないなら、専門家の力を頼ればいいだけです。
すべての人と仲良くなるのではなく、気の合う人と仲良くなればいい。
すべての人に好かれる必要はなく、一部の人から好かれていれば十分です。
時には手抜きも必要です。
上手な手抜きも処世術の1つです。
手抜きができるところは、賢く手抜きします。
うまく省略することで、品質を保ちながら余裕を作れます。
すべてを完璧になる必要はありません。
自分の守備範囲に集中するだけでいいのです。
自分らしく生きることが、一番幸せです。
万能人間を諦めることで、仕事と生活のバランスが整い、人間らしい人生が歩めます。
万能人間を諦めた人が、健全な人生を歩めるのです。