指導や教育をする立場になると、叱らなければいけないことがあります。
叱るのは誰だって嫌です。
言いにくいことを言うのは、大きな精神的ストレスを感じるでしょう。
叱るのも疲れます。
貴重な時間と労力を消耗して、叱った後はぐったりします。
叱ると、自分が嫌われるかもしれません。
逆恨みされても困ります。
しかし、叱らず放置のままでは、相手は過ちに気づけず、同じことが繰り返されます。
悪い行為はきちんと叱って、戒めなければいけません。
そんな叱る場面では、必ず守っておきたい大切な約束事があります。
それは、理性を保っておくことです。
叱る場面は、大変デリケートです。
理性を失って感情的になると、叱り方が乱暴になります。
恐怖や威圧感のある叱り方では、きちんと諭すのは難しいでしょう。
感情的になると、叱り方の調整ができなくなり、上からぎゅっと押しつぶすような叱り方になります。
雑な言葉遣いや一方的な言い方では、相手は反抗心が芽生え、逆効果になることもあります。
あまり感情的になると、自制心のコントロールまで不能になり、大きな問題に発展する可能性もあります。
そして叱った後「言いすぎてしまった」と後悔するのです。
理性は、叱る内容にかかわらず、重要な要素の1つです。
叱るときは、お互い余裕がありませんが、それでもできるだけ理性を保つことを意識したい。
感情に動かされず、淡々とした言葉で、論理的に伝えるだけです。
悪いところがあれば、どこが悪いのか、落ち着いた言葉で伝えます。
理性を保っていれば、相手の気持ちに配慮する余裕も生まれます。
たとえ相手が厳しく反論してきても、理性を保って受け止めたい。
理性が徹底されていれば、言いすぎや言い間違えを防げます。
冷静と落ち着きがなくて困ることはあっても、あって困ることはありません。
きちんと理性を保って叱ることができれば、大失敗をすることはないでしょう。
自然と教え諭すような叱り方になるため、厳しい言葉も、前向きに受け止めてもらいやすくなります。
誰かと叱るとき、態度や言葉遣いも大切ですが、理性はもっと大切です。
理性を保つことは、叱るときのお約束なのです。