「ピンポーン」
来客のチャイムが鳴りました。
鳴ると同時に、犬がわんわんと吠え始める。
苦労している飼い主も多いのではないでしょうか。
まず考えられる原因は「聞き慣れないチャイム」です。
「チャイムを何度か聞かせれば、そのうち慣れて吠えなくなるだろう。電話の音と同じような要領で慣れさせればいいだろう」
わざとチャイムを鳴らして聞き慣れさせていけば、そのうち吠えなくなるはずと思います。
しかし、電話の場合とは少し事情が異なります。
電話の場合とは違い、家のチャイムが鳴った後は、必ず見ず知らずの人が登場するからです。
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チャイムが鳴った後、知らない人がドアを開けて近づいてくるのを学習して、警戒して吠えています。
吠えるには、理由があります。
飼い主に「誰か来たよ」という知らせであったり「お前は誰だ。これ以上近づくな」という警戒であったりなどです。
つまり、犬が吠えている本当の原因は「チャイムの音」に対してではなく「知らない人」に対してです。
チャイムの音に慣れることはできても、知らない人には慣れていません。
知らない人が近づく合図に過剰反応してしまいます。
さて、この本当の原因がわかれば、チャイムが鳴るのをやめさせる方法がわかってきますね。
「チャイムの音に慣れさせる」より「人に慣れさせる」のです。
チャイムとは関係ないように思えますが、関係しています。
まず他人との接触回数を増やして、飼い主以外の人でも怖がる必要はないことを学習させます。
もちろん最初は怖がったり警戒したりすることでしょう。
そういう場合は、他人の手から餌を与えるなどして、親近感を増す工夫をします。
「飼い主だけがいい人ではないよ。みんないい人なんだよ」ということを学習させます。
他人との触れ合いの回数を増やすにつれて、知らない人に対しても慣れが生じ、吠えることがなくなります。
この他人に対して慣れができれば、自然とチャイムがなっても吠えなくなります。
知らない人が来ても、怖がることはないので、吠えることもなくなるのです。