飼い主の言うことを、聞いてくれないやんちゃな犬がいます。
言うことを聞いてくれないのは、もともとの犬の性格だと思いますが、そうではありません。
もちろんある程度は性格に由来する一面もあるでしょう。
しかし、本来、犬はリーダーの指示はきちんと従う動物です。
古くから集団生活を営み、集団には必ずリーダーが存在しました。
リーダーの言うことは絶対に従うという本能がインプットされています。
飼い主がきちんとしたリーダーなら、犬はやんちゃな面はあっても、とことん言うことを聞くはずです。
では、なぜ飼い主の言うことを聞かないのか。
おそらく、飼い主と犬との序列関係が崩れているのが一因と考えられます。
飼い主によっては、犬をむやみにかわいがりすぎて、客観的な視点を失ってしまうことがあります。
たとえば、犬がおなかをすかせれば、いつでも食事を与える。
散歩のときに、飼い主の前を犬が歩き、歩きたい道を歩かせる。
犬のリクエストなら何でも応えるのは、一見、素晴らしいことのように思えます。
しかし、これではよくありません。
決定権が、飼い主ではなく、犬にある状態だからです。
飼い主は、犬の言いなりになっているだけです。
これを続けているうちに、犬は飼い主を軽く考えてしまい、言うことを聞いてくれなくなるでしょう。
すなわち、飼い主の言うことを聞かない犬の本当の原因は、飼い主にあります。
犬への本当の愛情があれば「優しさ」としての表現だけでなく「厳しさ」としての表現も必要です。
では、その厳しさとはどんなものか。
数を挙げると多くありますが、最低、次のポイントだけは守らせましょう。
これらはすべて、飼い主がリーダーとしての存在感を犬へ示す大事な場面です。
食事中の順番、散歩のときの歩かせ方などを少し工夫するだけです。
その厳しさがあれば、犬は飼い主に対して恐れを抱きます。
いま一度「自分(犬)のリーダーはこの人だ!」という意識を強くしてくれるはずです。