犬の散歩をしていて困るのは、車の往来です。
車体が大きく、独特のエンジン音を出しながら、すごいスピードで走ります。
初めて見る犬は、強い驚きを示します。
人間には、車は「乗り物」であることを理解していますが、犬には「正体のわからない物体」に見えて仕方ありません。
車に慣れていない犬のリアクションは、たいてい決まっています。
「怯える」か「吠えるか」です。
大きくて、すごいスピードで走るので、いきなり襲ってくるのではないかと思い、ひどく警戒してしまいます。
できれば、車の往来のない道を散歩するほうが事故に遭いにくくていいですが、なかなかそうも言ってはいられません。
人が住む社会には、車は必ずどこかで登場します。
もはや、人と暮らすうえで、車に慣れるのは必須と言ってもいいでしょう。
では、車に慣れさせるために、どうすればいいのでしょうか。
おすすめの3ステップがあります。
車に慣れさせるためには「そういうものが世の中には存在する」ということを犬に知ってもらう必要があります。
実際に見させるのが一番です。
見させるときも、歩きながら見させるのではなく、立ち止まって車の往来をただ眺めているだけでOKです。
飼い主がそばにいて、頭をさすってやりながら一緒に見るなら、犬も安心できます。
初めのうちは、怯えたり吠えたりすることもありますが、しばらく訓練を続けていくうちに、車に慣れます。
車の存在に慣れれば、車が通る歩道をゆっくり歩かせてみましょう。
ゆっくりで結構です。
車は大きくて、動くのが早い。
うるさい音を出す。
歩道を歩いているかぎり、別に危害を加えてくるわけではない。
こういうことを、体で覚えさせます。
歩道を歩けるようになれば、横断歩道を渡らせてみましょう。
これは少し難しいです。
10メートルを超える横断歩道となると、かなり注意する必要があります。
犬は色の判別が苦手なので、赤や青をはっきり区別できません。
横断歩道のランプは、当てにしないほうがいいでしょう。
では、どう判断するのかというと「全体の雰囲気」です。
車が完全に止まって、多くの人が横断歩道を渡り始めたら自分たちも渡っていい、という状態です。
これは少し難しいです。
時間がかかり、数カ月かかると思います。
長い目でしつけていくようにしましょう。
いずれの場合も、飼い主がしっかりリードを持ち、車の往来には気をつけるようにしましょう。
慣れるのには時間がかかりますから、常に長い目でいきましょう。
ただし例外として、どんなにしつけても慣れない犬というのもいるようです。
生理的に車を嫌う場合もあるので、そういうときには、車に慣れさせるのを諦めることも必要です。
その辺りは、状況を見ながら判断するようにしていきましょう。