室内で犬を飼っていると「噛むトラブル」は必ず発生します。
家具やソファーを噛まれて、ぼろぼろにされる。
そこで多くの飼い主は「何でも噛むのをやめさせたい」という願いを持ちます。
まず「そもそもなぜ犬は噛むのか」という理由から考えましょう。
犬が噛む理由は、大きく分けて2つあります。
幼犬の場合は、乳歯と永久歯が入れ替わるため歯がむずむずします。
そのむずむず感を解消させたいために、噛んで歯の違和感を解消させようとします。
散歩で歩き足りないときや暇なときには、そばにあるものを噛んで、暇つぶしをしようとします。
ストレスがたまっているときほど、自然と貧乏ゆすりしてしまう感覚に近いと言っていいでしょう。
このように、歯の違和感、暇つぶし、ストレスの解消などが、主な原因です。
言葉が通じない犬に、どうすれば噛まないように伝えることができるのでしょうか。
噛んだときに天罰を与えるような方法を使えば、噛むのを無理にやめさせることはできるでしょう。
しかし、私は個人的に噛まないように矯正するのはあまりおすすめしません。
すでにご紹介したとおり、噛む理由というのは「ストレス発散」が主な原因だからです。
もし強制的に噛むのをやめさせれば、犬は余計にストレスをためることになります。
噛まないようにしつけたところで、本当の根本的解決にはなりにくいです。
犬は噛むのが仕事のようなものです。
噛むことで歯の健康にもつながりますし、ぼけの予防にもつながります。
解消できるストレスもありますし、大切な暇つぶしの1つですから、制限するのはかわいそうではありませんか。
では、どうすればいいのか。
噛むのをやめさせるのではなく、あらかじめ、噛んでもいいものを与えておけばいい。
ストレスを抑えさせるのではなく、発散させるだけ発散させてあげます。
ペットショップに行けば、噛みごたえのあるゴム製のおもちゃがたくさんあります。
犬が噛むために作られたものですから、犬は喜んで1日中でも思う存分かみ続けるはずです。
歯のむずむずした感覚が解消できたり、ストレスを発散できたりするようになります。
一方、家具を噛むこともなくなるはずです。
もし、噛んでほしくないなら、貴重品は隠しておくことです。
たんすの奥にしまったり、たんすの上のような高い場所に置いたりしておけば、噛まれることはありません。
テーブルの脚のように隠しようがないものは、あらかじめ保護テープを巻いておきます。
かじっても傷がつかないようにしておけばいい。
また、木製のテーブルではなく、鉄製のテーブルに変更すれば、噛むこともなくなるはずです。
「噛むのをやめさせる」より「かませてあげること」で、吐き出すべきストレスをあらかじめ吐き出させてあげましょう。