適量というのは、つまり「満腹」ということです。
ちょうどいいかもしれませんが、よくありません。
犬の長寿についてのある研究について、興味深い研究結果を目にしたことがあります。
犬に与える餌の量を、25パーセント減らした結果、長生きをするようになりました。
理由は「活性酸素」にあります。
たくさん食事をした分、細胞組織を傷つける作用を持つ活性酸素も、多く生み出すことになります。
しかし、食事の量が少なくなれば、活性酸素の量も少なくなるため、老化の抑制が期待できます。
その結果、長寿につながります。
多くの飼育書では、犬が食べる食事の適量が書かれています。
しかし、それは「満腹の量」ではないでしょうか。
適量といえば適量ですが、もう少し減らしても健康上は問題ありません。
むしろ健康にいい影響があります。
「満腹」より「腹八分目」に抑えることです。
不要な活性酸素の排出を抑制し、長生きにつなげる効果があります。
そこでおすすめするのは「適正な食事の量を25パーセント程度減らすこと」です。
犬には、腹八分目。
「少し物足りないな」と感じる程度です。
これがちょうどいい。
健康に有効な食事の量を減らす効果もありますし、なによりしつけがしやすくなります。
しつけをするときは、ご褒美を用意している飼い主も多いことでしょう。
ご褒美を目的に、犬は言うことを聞きやすくなります。
もし、おなかがいっぱいだと、ご褒美への魅力が薄れてしまい、飼い主の言うことを聞きにくくなります。
「別におなかがすいていないし、別に欲しくないよ」と、求心力が低下します。
だからこそ、少しおなかをすかしている状態のほうがいい。
少しおなかがすいている状態だからこそ、しつけもしやすく、長生きもしやすくなるというダブルの効果が期待できるのです。