人間と病は、切れない関係があります。
小さなけがや風邪くらいならいいでしょう。
しかし、人生では何があるかわかりません。
突然の交通事故もありますし、思わぬ病に倒れることもあります。
重い病気にかかってしまい、長期の入院が必要とされることもあります。
自分では大丈夫だと思っても、ある日、突然起こります。
私は、19歳のときに突然入院したことがあります。
体調が悪いときに「からいもの食べたら元気が湧いてくるかな」と思い、刺激の強い食事をしたら、胃と腸が炎症を起こしました。
痛みで立てなくなってしまいました。
今なら笑えますが、本当に立てませんでした。
「若いときには自分は大丈夫だ」と思っても、無理をすればやはり限界のある人間であることを自覚します。
まったく恥ずかしいことです。
健康には自信があったため、この経験は大変ショックでした。
同時に学生時代の多感な時期に入院を経験したことは、貴重な時間にもなりました。
病院に運ばれ、炎症を抑えるため、しばらくの間は絶対安静だと医者から言われました。
部屋にはテレビはありませんし、本1冊も新聞もありません。
私は海外に留学していたため、両親は日本にいるし、見舞いに来てくれる人は誰もいませんでした。
まさに1日中、ずっと部屋に1人きりでいます。
そうすると、さまざまなことを考えます。
「自分の人生はこれでいいのだろうか」
「いつの間にか間違った道に進んでいないだろうか」
「これからどういう道を歩むべきか」
あれこれ忙しい日々ばかりのため、自分のことをゆっくり振り返り、人生について見直す時間はありませんでした。
しかし、突然の入院が、それを考えさせるいい機会を与えてくれました。
あなたは入院したことがありますか。
入院することになったときはどうしますか。
起こってしまったことは、悔やんでも仕方ありません。
もし入院することになってしまったら「人生の夏休み」だと思うことです。
普段私たちは、学生なら学校に通い、社会人なら会社に通勤しています。
親になれば子育てに忙しくなり、気づけば老後を迎えています。
そんな忙しい日々のため、なかなか自分について振り返る時間がありません。
なんとなく考えることはあっても、たっぷり時間を取って考えることは少ないはずです。
万が一、入院してしまったら、落ち込むばかりではなく、自分の人生について考えるいい機会に変えます。
長期の休暇で頭を冷やしましょう。
自分の人生を振り返ったり、方向修正したりするためのいい機会だと考えるのです。