医者になった人の体験談を読んでいると、過去に大事故に遭った人が多いことに気づきます。
涙を流しながら「自分の人生はもうダメだ」と病床に伏せている中、医者からの素晴らしい治療と励ましにより、回復します。
人を助ける医者と関わっていくうちに「自分もこうなりたい」と憧れを抱くようになり、医療の道を選んだとのことです。
手塚治虫さんの作品『ブラックジャック』の主人公も、過去に大事故に遭い、名医に出会ったことがきっかけで、医者になります。
格闘家にはもともと体の弱かった人が多い。
格闘家の角田信朗さんも、元は体が弱く、昔はいじめられていたといいます。
そうした経験から「いつか見返してやろう」という反発力が生まれ、武道を始めたといいます。
また作家を目指す人は、もともと精神的に弱い人が多い。
心が病んでいて、自分の慰みを本に求めます。
そこには素晴らしい言葉、考え方、知恵が詰まっており、自分の倒れかけた心が元に戻ります。
「そうして自分もこんな作家になりたいな、人に元気を与える仕事をしたいな」と考えるようになります。
かくいう私も、精神的に病んでいた中、本に助けられたからこそ「本を書きたい」と願うようになった1人です。
22歳のころは、就職活動が間近になり、本当にやりたいことがわからなくて病んでいた時期でした。
いえそれどころか、自分は何のために生まれてきたのか、何のために生きているのかさえわかっていない状態でした。
精神的に余裕はなく、病んでいて、いつも気持ちがふさいでいました。
そんなときに出会ったのが、本でした。
多くの作家のさまざまな考えを吸収していくうちに、自分の悩みはちっぽけであることに気づきました。
理解のある言葉の多くに勇気づけられて、元気の出る言葉がたくさん詰まっていたからです。
悩みを大きくさせていたのは、誰でもない自分だったのです。
さまざまな作家の本を読んで元気をたくさんもらっているうちに「私もこんな仕事がしたいな」と思い始めるようになりました。
自分が助けられたから、この作家という仕事に憧れを持つようになったのです。