私が学生時代、水木君という友人がいました。
水木君は、勉強もスポーツもできる人でした。
こう言えば、あなたは「水木君は万能な人なんだ」と思うでしょう。
ところが意外や意外!
クラスで最も失敗する人として目立っていた人も、水木君でした。
体育のサッカーでは、水木君のエラーが多かった。
しかし、それは水木君が、鈍感だったからではなく、単にトライの数が多かったからです。
トライの数が多いから、それだけ失敗の数も多く目立っていました。
同時に水木君は、最もサッカーがうまかった。
ボールが転がるところに、水木君がいます。
勉強で成績優秀者の中には、必ず水木君の名前があった。
しかし、授業中は、一番よく間違える人でもありました。
よく間違えるから、よく勉強ができ、知識の吸収が早かったのです。
水木君は、失敗王でありながら、成功王でもあったのです。
当時の私は、このことにあまり深く考えてはいませんでした。
しかし、今振り返って考えると、起こるべくして起こる、当然の結果なのです。
一番トライの多い人は、一番失敗も多くなります。
それは同時に一番成長が早くなるということでもあり、成功しやすくなると言うことなのです。
「失敗王=成功王」という公式は、当たり前なのです。
むしろ成功王と失敗王は、同一人物にならないとおかしい。
成功する人は、最も失敗が多くなり、失敗が多くなるということはそれだけ成長できるということです。
野球においても、三冠王と三振王は、同一人物になることがあります。
最もトライをする人が、一番よく失敗をして、また一番成長が早くなり、成功しやすくなる体質になるからです。
学生時代に見た水木君は、成功者としての手本だったのです。