人を好きになるという愛には、次の4種類があります。
一般の人が思っている「愛」は、区別が曖昧なものが多いですが、この機会にくっきりと区別を付けておきましょう。
まず(1)のテイク&テイクとは、受け取るだけの愛です。
生まれたばかりの赤ちゃんが、親から世話を受けることは、まさに受け取るだけの愛に当たります。
与えることができず、また与えるだけの力はなく、受け取るのみになります。
受け取ったから、お返しとしてギブをするということです。
自分のことを好きになってくれる人のことを好きになってしまう人は、これに当たります。
相手から愛情を受け取ったから、見返りとして愛を返すという条件付きの愛なのです。
「私を愛して。そうすれば私もあなたのことを愛します」
「私を好きになってください。そうすれば私もあなたのことを好きになります」
こうした受け取ってから、動き始める愛です。
あまりよい印象を受けませんね。
本物の愛ではありません。
続いて(3)のギブ&テイクは、駆け引きの愛の1つです。
自分が相手のことを好きになるが、見返りを求めてのことというときです。
好きな人がいて片思いをしている場合は、まさにこれに当たります。
片思いの正体は「ギブ&テイク」だったのです。
本当の愛ではありません。
片思いは、相手が自分を好きになってくれないと成就しない恋です。
まずは、こちらから相手に好きという行為を示します。
最初は相手のことを思って、そうしていることですが、やはりどこかで見返りを期待してしまいます。
「これだけ尽くしているんだから、私のことを好きになってくれるはず」
そう思い、知らず知らずのうちに見返りを求めてしまっているのです。
相手が自分のことを好きになってくれないと、いつまで経っても幸せにはなれません。
しかし、本当に相手のことが好きだという本物の愛があれば、見返りは求めないはずです。
相手が好きになってくれることを条件としていますから、残念ですが片思いは駆け引きの愛であって、本当の愛ではないのです。
片思いは「愛」ではなく「恋」という低いレベルになります。
では、本当の愛は、どのような形を指すのでしょうか。
本当の愛とは(4)のギブ&ギブの「無条件の愛」のことをいいます。
これこそが、本当の愛の形です。
自分が好かれていなくても、相手のことは愛しているという状態です。
相手があなたのことをどう思っているのかは関係ありません。
あなたは、常に相手のことを好きだという状態です。
本当に相手のことが好きなら、見返りは求めません。
相手のことを愛しているがゆえに、ただ相手に愛を与え続けます。
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんを育てる親は、無償の愛があってこそできることです。
無条件の愛があるから、育てることができます。
赤ちゃんに、いくら愛を与えても、お返しをしてくれるわけではありません。
しかし、わが子ですから見返りはなくても、昼夜を問わず一生懸命に世話ができます。
本当に愛があるなら、この「ギブ&ギブ」という無償の愛を表現することができるのです。
このレベルにまで達すると、人とぶつかり合うことはありません。
見返りを求めませんから、相手に恨みを抱いたりしません。
与えることで、自分が嬉しくなり、豊かになります。
人付き合いがうまい人には「ギブ&ギブ」という愛が感じられます。
プレゼントをしたり、年賀状を出したり、進んで人を助けたりなど、見返りを求めず人に与えようとします。
無償の愛を持って人に接する人は、人付き合いがうまい人なのです。