人付き合いの究極は、無償の愛を持って接することです。
ギブ&ギブによって、見返りを求めない愛によって、人との関係が向上します。
しかし、あなたは、心の中ではこう思っているのではないでしょうか。
「無償の愛がよいことくらい知っている。
それができないから困っているんだ」。
たしかにそうです。
考えてみれば当たり前のことですが、ギブ&ギブはなかなかできることではありません。
いくら無償の愛がよいことだと頭ではわかっていても、現実ではなかなかそのように体が動きません。
なぜでしょうか。
他人だからです。
人は誰でも、まず自分のことを考えます。
自分が幸せになることなら一生懸命になりますが、他人のことは他人の事情ですから、自分には関係ありません。
冷たくなってしまうのです。
もし人のことを考えようと思っても、見返りによって自分に跳ね返ってくる「ギブ&テイク」を求めます。
ギブ&ギブは、やはり不可能なことなのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
ちょっと想像してみましょう。
自分が産んだ赤ちゃんには、見返りを求めず接してしまいますよね。
自分とは別の人間ですが、自分が産んだ子には強い愛情を抱きます。
自分に関係あるからです。
自分のおなかを痛めて産んだ子は、自分の分身のようなものです。
実際に個体としては別々でも、自分と赤ちゃんとの間に境界線はなく「2人で1つ」という意識があるためです。
自分に強く関係しているからこそ、他人でも自分のことのように接することができます。
親子の関係には、境界線はありません。
境界線を意識していない親子ほど、幸せな家庭を築いています。
みんなで1つと考えているからです。
だからこそ、ギブ&ギブという無償の愛を持って、接することができるのです。
あなたが会社や学校の人間関係において、無償の愛を持って接しようと思っても、なかなかそれができません。
自分と他人との間に、境界線を引っ張っているからです。
関係ないと思っているからです。
関係ないと思うのをやめればいいのです。
「関係ある」と思えばいいのです。
私たちの先祖をたどれば、いずれ1つの原点にたどり着きます。
私たち人類が存在しているのは、地球があってこそです。
地球があるのは太陽系があってこそです。
太陽系があるのは、銀河系があってこそです。
すべてがあるのは、宇宙が存在しているからこそです。
あなたとそれ以外という境界線は、実は幻想であり、本当はすべてが1つなのです。
ただ原子の組み合わせや密度によって、世の中にはいろいろあるように思えるだけです。
大いに関係しています。
すべてがあなたに関係し、元をたどれば原点は同じなのです。
ひもがもつれて、たくさんのひもが絡まっているように見えても、ほどいてみれば実は1本のひもだった、というわけなのです。
大いに関係しているという真実に気づくと、境界線はそもそも引けないし、幻想なのです。