「うまく誘いを断る方法はないか」
こうしたことを、あなたも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
サークルの誘い、習い事の勧誘、行きたくもないコンサートの誘い、訪問販売。
こうした誘いや勧誘の嵐に一度は悩み、相手を傷つけないうまい断り方を考えたことがあることでしょう。
しかし、この「うまく断る」の「うまく」という言葉がいやらしい。
ただでさえ上手に断れない人が、自分も相手も傷つけない完璧な断り方を考えるから、余計にうまく断れなくなってしまうのです。
完璧な断り方を目指したがために、不完全に中途半端になってしまったということです。
相手も自分も傷つけないような上手な断り方がないわけでもありません。
相手の話のしっぽをつかんで逆手に取ったり、話をひっくり返してこちらが優勢になったりすることで、うまく断る方法もあります。
しかし、それは、言い方やテクニックの問題です。
口下手の人が言い方やテクニックを意識しても、うまく話せないため、余計に断れなくなるのです。
うまく断れない人ほど、うまく断る方法を考えないことです。
シンプルに、単純に、断行的に断ることのみ、集中することです。
話すのが上手で、度胸もあり、頭の回転が速いなら、最初から上手に断る方法は意識しないでしょう。
そういう人は、最初からうまく断ることができています。
うまい話術で切り抜けてしまいます。
しかし、うまく断れないことで悩んでいるなら、言葉やテクニックに頼ることは、余計に悪循環になってしまうのです。
口下手な人は、口下手なりの断り方を考えるべきです。
うまく誘いを断れないことに悩んでいるなら「うまく断る」という呪縛から抜け出しましょう。
「下手に断る」というふうに考え方を変えましょう。
相手を傷つけ、落ち込ませるような下手な断り方のほうが、簡単で即効性があり、効果的なのです。
結果として、うまく断れるようになるのです。