あなたの人生は、過去向きですか。
それとも未来向きですか。
人には、2種類の人がいます。
自分の考え方が、過去向きか未来向きかでわかります。
私は、高校2年の修学旅行から写真をよく撮り始めました。
自分の過去を残しておきたい欲求です。
以後、22歳までの間に1,000枚を越える写真の山によって、自分の過去を確認していました。
自分がきちんと前に進んでいるかどうか不安だったのです。
自分の過去がきちんとあったことを証明したかったのです。
そのためにいつもカメラを持ち歩き、何かあれば「シャッターチャンス!」と思い、シャッターボタンを押す。
そのためにその瞬間の経験を、いつも純粋に経験できていませんでした。
経験の最中に、カメラのことが頭にあったからです。
2003年のカウントダウンは、ニューヨークのタイムズ・スクエアで過ごしました。
新年を迎える瞬間「3、2、1」とみんなが1つになっている中、私はカメラに必死だったのです。
そのときからです。
「あれ、何か違うな」と、気づき始めたのは。
いつも過去のために必死となり、純粋に今を感じていなかったのです。
それに気づいてからは、写真を撮るのをやめました。
写真を撮るという行為が、妙にむなしく感じられるようになったのです。
その後、今まで撮った写真を全部捨てました。
過去のために今、必死になるのではなく、未来のために今、必死になろうと心を一新したのです。
「せめて写真を捨てなくてもよかったのに」とたくさんの人に言われました。
私は、やるかやらないかはっきりした性格です。
ぐずぐずするのは苦手です。
実際、写真を全部捨てた後は、驚くほど心が軽くなりました。
思ったより軽くなり、本当にびっくりしました。
写真という鎖から解き放たれて、今まで自分がどんなに縛られていたかに初めて気づきました。
写真があってもなくても、問題なく生きていけることにも気づきました。
私は昔、写真がなくなれば「人生、終わった」と思ったものです。
写真がなくても生きていけます。
写真がなくて生きていけないなら、カメラができる昔の人たちは生きられなかったはずです。
さすがに写真を捨てるということに抵抗感を抱く人も、なかにはいることでしょう。
そういう人は、無理をしてまで写真を捨てる必要はありません。
前向きになりたくても、写真を捨てることには抵抗があるという人は、せめて過去にこだわりすぎないようにすればいいのです。
私がしたことは、自分にとって写真は後ろを振り返って後悔をするための材料になってしまっていたから、捨てたわけです。
別の方法を使い、前向きになれるならば、どんどん実践していきましょう。
後ろを振り返ってしまってなかなか前向きになれない人は、後ろにある物を捨てればいいのです。
根本的に後ろを振り返ってしまうこともなくなります。
どうすれば前向きになれるかを自分なりに考え、実践していくことが大切なのです。