あるとき切羽詰まった状況に陥ることがあります。
時間や期限が差し迫ってくると、時間の余裕がなくてばたばたするでしょう。
心臓が締め付けられるような感覚になる。
「ぎりぎりだ!」「危ない!」「もっと急がなきゃ!」と思考が混乱気味になり、呼吸も心拍数も速くなります。
心にも余裕がなくなって、だんだんいらいらしてくるでしょう。
しかし、焦って行動すると十中八九ろくなことになりません。
焦ることで注意力が低下して、つまらないミスをすることになります。
信じられないような凡ミスをして赤面することになるでしょう。
修正やリカバリーが必要になれば、余計な時間を取られることになります。
焦っていると視野も思考も狭くなってしまい、短絡的な発想やアクションを招きます。
車の運転のように、一瞬のミスが命取りになる可能性もゼロではありません。
パニック映画では、焦って行動する人はまず助からないのが定番ですが、それは現実でも同じことです。
焦って行動すると、悔やむ未来が待っているのです。
切羽詰まった状況があれば、まず落ち着くようにしてください。
焦って行動することがないようにします。
それどころではなく難しい状況かもしれませんが、やはり落ち着くしかないのです。
焦って行動すれば十中八九トラブルになるのですから、しっかり動揺を抑え、まず落ち着くことが最優先です。
まず大きく深呼吸をして、呼吸を整えましょう。
呼吸は、自分の意思で自律神経をコントロールできる唯一の方法です。
呼吸を整えることで副交感神経の働きを高め、落ち着きを取り戻す作用があります。
吐くこと・吸うことの割合は「1対2」が目安です。
3~4秒で息を吐いたら、6秒~8秒で息を吸いましょう。
これを10回ほど繰り返します。
呼吸を整えることで気持ちも整っていきます。
心が落ち着けば冷静な思考を取り戻せ、冷静な思考があれば正しい判断ができるようになります。
期日が迫っていれば、正常な思考によって「当たり前の行動」が見えてきます。
「ここは無理に頑張るより、素直に延長をお願いするのがいいだろう」
当たり前の決断を下せ、当たり前の行動を取れるでしょう。
また、視野が広がることで、よい知恵や解決策も浮かんでくることもあります。
解決に一筋の光明を見いだして、不可能と思えた困難があっさり解決することは珍しくありません。
少なくとも焦りながら行動するより、はるかに安全であり賢明です。
「そんなことは当たり前」と思うかもしれませんが、ここに落とし穴があります。
頭ではわかっていても、いざ実際に切羽詰まった状況となると、いとも簡単に忘れてしまうのです。
すでに頭でわかっている人もいるかもしれませんが、もう一段階、頭に深く刻み込んでください。
「切羽詰まった状況のときは、焦って行動するのではなく、まず落ち着く」です。
経験則からわかっている人も含め、あらためて意識しておくに越したことはありません。