ときどき軽々しく人におすすめを聞く人がいます。
「おすすめの本はありませんか」
「おすすめの映画はありませんか」
「おすすめのレストランはありませんか」
こうしたセリフに心当たりがあれば要注意です。
もちろん人におすすめを聞くのが絶対悪いとは限りません。
普段から自分で探して選んで身につけて、そのうえで人に聞くならいいのです。
人の意見を取り入れることも、時には大切です。
その人は、自分の知らない世界を知っているかもしれません。
他人の好みを取り入れることで自分の中に新しい色が加わり、新しい世界を切り開くきっかけになることがあります。
先にきちんと行動ができていて、そのうえでおすすめを聞くならいいのです。
しかし、ろくに行動していないうちから、軽々しく人におすすめを聞くのはよくありません。
かえって自分の成長の機会を失うことになるからです。
軽々しく人のおすすめを聞くのは、本気の気持ちがない証拠です。
「私は自分で探して選べません」「私は自分の好みすらわかりません」と言っているようなもの。
そもそも気持ちが中途半端です。
そういう人におすすめをしたところで、意味がありません。
聞くだけ聞いておきながら、それで終わりです。
「まだ読んでいません」「まだ見ていません」「忘れていました」となります。
自分の好みくらい、自分でわかるはずです。
自分の興味関心を自分が把握できなくて、誰が把握できるのでしょう。
読みたい本や見たい映画くらい、自分でわかるようになっておかなければいけません。
自分の心のアンテナを大切にすることです。
「○○したい」という欲求を大切にしましょう。
「これを読みたい」「これを見てみたい」「これを食べてみたい」と思ったら、それが正解です。
本人は、外れを引きたくない気持ちからおすすめを聞いているのかもしれません。
ここも落とし穴があります。
相手は、おすすめを聞かれても困ります。
好みや価値観は十人十色であり、人によってさまざまです。
自分が「よい」と思ったことが、相手も「よい」と思ってくれるとは限りません。
自分が「よい」と思ったことであっても、相手は「嫌い」「苦手」「不快」と思う可能性もあります。
変に逆恨みされても困ります。
おすすめするにも責任が伴います。
おすすめしようにも、責任を感じて言いにくくなります。
外れることもありますが、それも大切な経験であり勉強です。
外れの経験から学べることはたくさんあります。
「つまらないものにはこういう傾向があるね」とわかるようになります。
たくさん外れを引くことで鑑識眼が養われます。
痛い目に遭うことも勉強です。
「自分はこういうのが苦手なのだね」という経験も大切です。
外れを経験することで、自分への理解が深まります。
自腹で払っているので、失敗経験もしっかり身につきます。
自力で何かをすることで、自己責任を養う機会にもつながります。
おすすめを聞きたい衝動に駆られたら、ぐっと我慢してください。
しっかり行動したうえで聞くならいいですが、そうでないなら控えておくのが賢明です。
自分の勘と経験を頼りに探しましょう。
自分の興味関心に従って選びましょう。
そして自分の責任で判断しましょう。
自分で探して選ぶことも、勉強の1つです。