穏やかな人になるために必要なのは、受け止める力だけとは限りません。
会話はキャッチボールが基本です。
人とのコミュニケーションでは、相手の言葉をきちんと受け止めることが大切です。
お互いの言葉をきちんと受け止め、返すことで、どんどん会話が進んでいきます。
時には悩みの相談を持ちかけられることもあるでしょう。
相手から頼りにされたときは、できるだけ親身になって対応することが大切です。
しかし、何でも真面目に受け止めればいいわけではありません。
人付き合いやコミュニケーションの中には、くだらないことやばかばかしいこともあるでしょう。
すべて真面目に受け止めていると、時間や体力がいくらあっても足りません。
低俗なことなら、さらりと受け流すことも必要です。
たとえば、相手から嫌みを言われたときです。
嫌みをそのまま受け止めると、いらいらしたり腹が立ったりします。
「何てひどいことを言うのだろう!」
心が傷ついて、精神的な消耗も激しくなります。
こうしたときこそ「受け流す力」です。
不快な一言を言われたときは、受け流しましょう。
「はいはい。そうですか」と、本気に受け止めず、さらりと流す。
表向きは受け止めているふりをしつつ、実際はほとんど無視をしている状態です。
たとえ自信やプライドを傷つけることを言われても、真面目に受け止めません。
どんなに不快な一言も、受け流しさえすれば、ダメージはゼロ。
失礼な態度に思えますが、くだらない内容なら、無視することも大切です。
自分が気にしなければ、不快な言葉に対する防御力が高まったのと同じ状態になります。
急に身に覚えのない喧嘩を売られるときもあるでしょう。
むきになって歯向かうと、そのまま本格的な喧嘩に発展します。
自分が悪くなくても、ひとまず「すみませんでした」と謝っておくほうが、大きなトラブルに発展しなくて済みます。
納得できないこともあるかもしれませんが、スムーズに人生を渡り歩くための処世術です。
人間関係は、精神レベルの同じ人同士がぶつかります。
いちいち低俗なことに反応するのは、自分の精神レベルも低い証拠。
精神レベルを高めるなら、低俗なことは、できるだけ受け流すのが得策です。
つまらないことは、さらりと受け流しましょう。
風に揺れるすすきのように、摩擦や抵抗を減らすことです。
受け流す力が強くなると、打たれ強くなり、落ち込みにくくなります。
不快な物事があっても、感情を乱されず、落ち着いた状態を維持できます。
穏やかな人になるために必要なのは、受け止める力より受け流す力なのです。