面接でよく聞かれる、定番の質問があります。
「尊敬する人は誰ですか」という質問です。
多くの面接対策の本では、定番の答えが決まっています。
「親」です。
間違っていません。
むしろ答えとしては、理想的です。
親を尊敬することは、健全な人間性のアピールだけでなく、良好な親子関係のアピールにもつながります。
答えとしては、欠点のない、完璧な答えなのです。
しかし、理想的であるにもかかわらず、実際の面接では、高い評価は得にくいでしょう。
定番すぎる返事だからです。
面接官は、こう思うでしょう。
「また定番の答えだ。どうせ本に書かれたことを、そのまま答えているだけだろう」と。
いかにも「準備したセリフを言っている」という雰囲気が出てしまう。
面接官は、面接のプロです。
何十人、何百人という応募者と接しています。
いくら理想的な返事でも、ありきたりな返事では、面接官を感心させるどころか、落胆させてしまうでしょう。
理想的な返事でも、定番すぎるなら、注意が必要なのです。
では、尊敬する人を聞かれたとき、誰を答えるべきか。
理想的な「親」という答えはあえて避け、著名な人物を挙げるのです。
理想は、歴史上の人物です。
定番から少しずらした答えのほうが「本心を述べている」という雰囲気が出るため、真実味が増します。
訴える力が強くなるため、面接官の印象に残りやすくなるのです。