できることなら、愛犬へのしつけは子犬のときがいいのはたしかです。
若い時期は社会に早く適応しようとするため、あらゆる刺激を受け入れやすい状態になっています。
そのため若い時期にしつけたほうが、物事に慣れやすく、しつけも忘れにくいメリットがあります。
しかし、こうした話をすると、必ず不安を抱える人が出てきます。
「うちの犬は、子犬の時期を過ぎているから、もう手遅れなのか……」
いえ、子犬を過ぎれば手遅れかというと、そうではありません。
成犬になってからも、しつけは十分に可能です。
むしろ、しつけや芸を覚えさせるなら、成犬のほうが都合はいい面もあります。
子犬のころは、刺激を受け入れやすく慣れやすい面がありますが、落ち着きがない傾向もあり、しつけに手を焼くことでしょう。
また、子犬は足腰の筋肉がまだ十分に発達していません。
トイレをしつけたり、我慢させたりしようとしても、肉体的に難しい点もあります。
しつけをしようにも、体力面に不安があり、なかなか思うようにいきません。
しかし、成犬の場合は、これらの問題点がすでに解決されています。
落ち着いて、精神的な度胸があり、夜泣きも少ない。
また、筋肉がしっかり発達しているはずですから、留守番中のトイレの我慢も、長時間我慢できるはずです。
飼い主の言うことを素直に聞いてくれることが多くなります。
比較的、しつけや芸を覚えさせるなら、成犬のほうが都合はいい。
成犬だからとはいえ、しつけを諦める必要はありません。
しつけは、いつでも何度でも、やり直せるのです。