猫が普通のおしっこをするときは、かがみ込んだ姿勢になるはずです。
排泄後は、後ろ足で丁寧に砂をかけようとする。
おそらくこの光景が最初に浮かぶことでしょう。
しかし、猫の排泄を見ていると、変わった姿勢でおしっこをする場面を見かけることがあります。
立ったままおしっこをしているところを見かけたことはありませんか。
「座ってのおしっこ」と「立ったままのおしっこ」とでは、何か意味に違いがあるのでしょうか。
これは単なる排泄とは別の意味を持つ行為です。
立ったままおしっこをするほとんどは「マーキング」と呼ばれる行為です。
尿やふんなどのにおいをつけることで、自分の縄張りを示すことをいいます。
自分のにおいをつけることで、自分の存在を示し、安心感を得ようとしています。
立ったままおしっこをする理由は、できるだけ広範囲に撒き散らそうとするからです。
また高い位置におしっこをするほうが、猫の体の大きさも同時に表現できる意味も含まれています。
特に、去勢をしていないオスでは頻繁に見られる光景です。
猫らしい、自然の営みの1つです。
しかし、いくら自然の営みとはいえ、これに悩む飼い主も多いことでしょう。
屋外ならいいですが、室内の至る所でマーキングをされると、家具が汚れるのはもちろん、においがついて掃除も大変です。
もしこのマーキングをしてほしくないなら、最初からメスの猫を飼うといいでしょう。
そもそも自然の営みですから、しつけでやめさせるのも難しい話です。
メスでもまったくマーキング行為をしないわけではありませんが、大変珍しいと考えていいでしょう。
もし、すでにオスの猫を飼っている場合は、厳しいしつけが必要です。
マーキングをしようとした瞬間に大きな声で「こら!」と強く叱るようにしましょう。
叱るのは、しようとした瞬間か、している最中です。
しばらく時間を置いてしまうと、猫はなぜ叱られているのか理解できません。
マーキングをやめさせるまでは、猫との根気の勝負です。
「マーキングをすると恐ろしいことが起こる」と猫に覚えさせれば、マーキングをやめ、決められた場所でするようになります。
また、最後の手段として、去勢という方法もあります。
ただし、これはお金もかかりますし、動物に手を加えることに抵抗感を持つ飼い主もいることでしょう。
状況に応じて判断しましょう。