「お手!」
「お座り!」
「待て!」
飼い主が一生懸命にしつけをして、次第に言うことを聞いてくれる犬に育ちかけていたときのことです。
きちんと覚え、今まで従ってくれていたはずの命令を、急に無視し始めることがあります。
飼い主の言うことを聞いてくれなくなります。
一瞬、犬は命令やしつけの内容を忘れてしまったのかなと思います。
もちろん体調が悪かったり、緊張したり、気分が乗らないときもあるでしょう。
しかし、意外な理由が考えられます。
犬が反抗期を迎えている証拠なのかもしれないです。
実は、犬にも反抗期があります。
およそ生後4カ月から7カ月にかけて起こるといわれています。
人間の年齢に例えれば、中学生あたりの年齢です。
今まで飼い主に従っていたけれど、自我を確立し、自分の強さを自覚し始めて、飼い主に歯向かおうとする時期があります。
まったく困ったものです。
しかし、反抗期があることは悪いことではありません。
たしかに言うことを聞かない態度には手を焼いてしまいますが、犬が肉体的・精神的にきちんと成長している証拠です。
あながち悪いことだとは言い切れず、喜んでもいい。
大切なのは「そうした犬を飼い主はどう扱うか」です。
飼い主に反抗して、言うことを聞かないのでほうっておくと、どんどん飼い主はなめられます。
最初は飼い主のほうが上だった関係が、この時期を境に立場が逆転して、犬のほうが上になることがあります。
飼い主としては、言うことを聞かないからと言ってほうっておくわけにはいきません。
人間のいる社会で生活しているかぎり、やはりルールやマナーを守ってもらう必要があります。
こういうときは、飼い主はいつも以上に強い態度になるようにしましょう。
これまで以上に厳しい態度としつけが必要になる時期です。
飼い主は心を鬼にします。
今まで以上に強いリーダーシップを発揮し、たとえ嫌がっていても無理やり飼い主の言うことを聞かせるようにしましょう。