犬は、7歳くらいから次第に老化を迎えます。
10歳を過ぎれば老犬となり、体の衰えが目立つようになります。
歩く速度も遅くなる。
体力も視力も聴力も落ちていきます。
しかし、不思議なことに、年老いているはずの犬が、なぜか以前よりよく吠え、攻撃的な性格になることがあります。
若いときはおとなしかったはずなのに、年を取ったほうがむしろ元気になっているように見えます。
若返っているかのようです。
この現象はどのような意味があるのでしょうか。
これは「空威張り」であることが考えられます。
年老いた犬が衰えを自覚し始めたので、若い者になめられまいとして、逆に強がっている様子です。
自分より若い成犬や子犬に対して、地位を奪われまいと、空威張りをしています。
人間にも年を取るにつれて頑固になったり怒りやすくなったりする人がいますが、それと似た現象です。
弱くなるからこそ、弱さを見せるまいと、強気に出ようとします。
もし犬にこうした現象が見られるようになったら、その気持ちを飼い主は察知してあげましょう。
吠えてはいますが、実際は老いることへの不安の裏返しです。
「どんなに年を取っても、変わらず大切にするよ」という気持ちを伝え続けることが大切なのです。