学校では、難しい顔をしていると一生懸命に勉強していると見てくれます。
険しい表情をして、額に汗を流して勉強していると「偉いね」と言われます。
しかし、これは、本当によい勉強法ではありません。
難しくて面白くないと感じることは、身につかないことが目に見えています。
勉強は、楽しいと感じる人ほど、身につき、成績もよくなるのです。
中学生のころ、西岡君という友人がいました。
彼は数学や理科は誰にも負けないくらい、いつも成績がよかった。
そんな西岡君は、不思議にいつも楽しそうな表情をして勉強をしているのです。
難しい顔をして勉強することがよいことだと思っていた私は、いつも不思議でたまりませんでした。
数学や理科の話をすると、笑って話をしながら教えてくれます。
ある日、西岡君に「なぜそんなに成績がいいの」と聞いてみたことがあります。
すると「楽しいから」というあっさりした返事が返ってきました。
「楽しいから勉強する。
勉強するともっと楽しくなる。
それだけだよ」。
学生のころに聞いたその言葉を、そのときは軽く聞き流していました。
しかし、実際に社会に出て、仕事のできる人や頭の切れる人は、決まって「楽しんでいる人」です。
難しく険しい表情をしている人に限って、仕事が遅くて、質が悪い。
嫌いだという感情があると、スピードが落ちて、熱心さ、集中力、根気が欠けてしまいます。
私は昔、難しい顔をしている人が頑張っている人だと思っていましたが、大きな間違いだったのです。
本当に頑張って成果を発揮できる人は、楽しんでいる人なのです。