骨折をしたことはありますか。
もしあるなら、幸せです。
骨折の大変さがわかるからです。
風邪を引いたことがない人はほとんどいませんが、骨折をしたことがない人は意外とたくさんいます。
あなたの知り合いにも「一度も骨折をしたことがない」という人が幾人かいるはずです。
あるデータによると、18歳までの骨折の経験者は、2割程度しかいないと言われています。
人口全体で見ると、骨折の経験者はしたことがない人のほうが多いのです。
骨折をすると、しばらく大変な日々が始まります。
ギプスをはめることになり、体の一部を動かせない生活が強いられます。
程度によっては、松葉杖・車椅子が必要です。
わずかな移動にも時間がかかります。
いつもなら3分の距離が、15分くらいかかることも少なくありません。
トイレや入浴のときも大変です。
ちょっとしたことにも一苦労で、ストレスもたまります。
しかも治るまでに長い時間がかかります。
何週間もかかるのは基本で、数カ月かかることも珍しくありません。
一般的に骨がくっつくのは4週間から6週間ですが、完治までには最低でも2カ月以上はかかります。
当然ですが、治療費もかかります。
骨折は、肉体的・精神的だけでなく、経済的にも痛いのが特徴です。
一度でも骨折を経験すれば「二度と骨折なんてまっぴら」と思うはずです。
だからこそ、骨折をすることは幸せです。
今後骨折をした人と接することがあれば、その大変さを想像できるようになるからです。
相手の気持ちを理解できるようになるのは素晴らしいことです。
心配の声をかけられるようになったり、相手の気持ちにより添えられるようになったりします。
松葉杖や車椅子を使っている人がいれば、その大変さも理解できるようになります。
骨折は、痛くてつらい経験ではありますが、無駄な経験ではありません。
骨折の大変さを理解できるチャンスです。
優しい心が育つチャンスです。
骨折は、貴重な経験の1つなのです。