職場でトラブルが発生すると、犯人捜しに燃える人がいます。
「誰がやったんだ? アクセスログを確認しろ! 監視カメラをチェックしろ!」
警察のように不審な人物を見つけ出そうと躍起になる。
責任の所在を明らかにすることで、つるし上げにしようとします。
あらゆる証拠を手がかりにして、必ず見つけると言わんばかりに一生懸命です。
犯人が見つからないと自分が疑われるかもしれないので、自分の無実を証明するために頑張っているのかもしれません。
もちろん盗難や紛失といった悪質な被害であれば、犯人捜しも必要ですが、ささいなミスまで犯人捜しをする人がいるものです。
犯人捜しがプラスに働くとは限りません。
犯人捜しは、いじめのような陰湿な雰囲気があります。
疑心暗鬼の空気が広がって、信頼関係に悪影響を及ぼします。
犯人捜しをすればするほど職場の空気が悪くなり、働く人たちのやる気やモチベーションを下げるのです。
犯人捜しをしている間、肝心の仕事も中断されます。
トラブルが発生していれば、対処が遅くなってしまい、時には二次被害を起こしかねません。
犯人が見つかったとしても、その人は悪者としてのレッテルを貼られ、職場で気持ちよく働きにくくなります。
遅かれ早かれ「会社を辞めます」ということになり、抜けた人を補うため、ばたばたすることになるのです。
犯人捜しは、時間の無駄です。
余計なところで時間を使わないことです。
ちょっとしたミスや失敗であれば、犯人捜しは必要ありません。
余計な犯人捜しはせず、多くの場合、注意をアナウンスすれば事足ります。
「職場でこういうことがありました。心当たりのある方は次から気をつけてください」と、全体に周知徹底すればいいのです。
わざわざ犯人を見つけ出さなくても、本人は「私のことだ」と反省し、すぐ改善されます。
犯人捜しをしなくても、たいていのトラブルは解決するのです。