物事を決めるとき、全員一致には注意してください。
全員一致とは、異議を唱える者は1人もなく、その場にいる全員の意見が、同じ方向にまとまるということです。
反対する人がゼロで、全員が賛成であれば、スムーズに可決です。
完璧に意見がまとまっているといえ、これほど素晴らしいことはありません。
しかし、全員一致は、1人でも反対がいるかぎり、決まらないことになります。
反対する人を説得するために、何度も会議を開いたり議論を行ったりしなければいけないため、無駄な時間が生まれるのです。
反対する人を説得するのは容易なことではありません。
多大な労力が必要となります。
懸命に説得しても首を縦に振ってもらえず、結局議論が無駄に終わることも少なくありません。
たった1人の反対者せいで、プロジェクトの進行が遅くなったり頓挫したりします。
スピードが求められるプロジェクトで、全員一致のルールを取り入れるのは致命的なブレーキになりかねません。
いつまでたっても物事が決まらず、いたずらに時間ばかりが過ぎていき、暗礁に乗り上げることになるのです。
歴史を振り返ると、過去に国際連盟がありました。
国際連盟が失敗したのは、総会で全会一致制を採用していたことが原因の1つとされています。
無駄な時間を減らすなら、多数決で決めるのがベストです。
多数決は、民主主義を実現する優れた決定方法です。
過半数や3分の2以上の賛成で決議というルールにすれば、さっと決められます。
「賛成の方は挙手をしてください。賛成が過半数なので決定します。では、次の議題に移ります」
1回の挙手や投票で決まり、物事が円滑に進むのです。