「経営者が2人いる会社はつぶれる」という法則をご存じですか。
会社を代表し管理する人間が2人もいてしまうと、それぞれの考えがぶつかり、喧嘩別れしてしまうわけです。
私は以前、この現実を目にしたことがあります。
まだアメリカに留学していたころ、近くに開店したばかりの和風バイキングのお店がありました。
広告も大きく出していて、友人の1人がそこでウエイトレスをやっていると言うこともあり、私も食べに行ったことがあります。
和食は欧米では人気があって、それも種類が豊富なバイキング形式だけあって、開店当初は大いに賑わっていました。
お店の中に入りきらないほどの人気があり、外まで行列ができていました。
ここは繁盛するだろうなと思っていた中、3カ月後にはなんとあっけなくつぶれてしまいました。
お店のドアの前に行くと、張り紙がしてありました。
「事情により閉店をさせていただきます。短い間ですがありがとうございました」
後から聞いた話ですが、どうやらそのお店は経営者が2人いて、お金の配分のことで揉めたそうなのです。
お金の問題で話がこじれ、経営者同士の仲が悪くなり、お店をやめてしまうことになったのです。
たしかに会社を設立するときには資本金が必要で、1人で出すより、2人で出したほうがその分負担が軽くなります。
だからとはいえ、代表する人間が2人もいると、違った人間であるからには対立が起こります。
ましてや、お金が絡む経営ならなおさらなのです。
これは家庭の夫婦関係にも同じことが言えます。
結婚してからは、個人個人の収入は1つにして、2人の収入が家族のために1つの目的のために使われることになります。
夫婦として同じ屋根の下で一緒に協力して暮らしているからには、お金を合わせて生活していかなければいけません。
当然お金の管理をする人間も必要です。
このとき2人が一緒に管理していると経営者が2人いるような状態となり、考えがぶつかり対立し合うことになります。
お金の管理は、夫か妻のどちらかが代表して行うほうが統一性ができ、そのほうがいいのです。
私の家庭では、お金の管理は母が代表して行っていました。
お金の管理を一括して母が管理し、家族の誰よりしっかり把握しています。
私も父も知りませんが、母はしっかり把握し管理しています。
父が稼いだお金は全部母が管理をして、食費や生活費、光熱費や教育費など、絶妙なバランスで振り分けます。
この判断はほとんどが母に任され、父は知らないふりです。
母はいつもお金の管理に気を使い、大きな責任が伴っているわけです。
父は、お金の管理は母に任せているおかげで、仕事に集中ができます。
母も母でお金の管理に集中できていますから、間違った使い方や振り分けはしません。
お金の管理と仕事を、父と母がそれぞれ「分業」しているため、うまくバランスが取れているのです。
お金の管理は2人で協力してやると逆にこじれます。
1人が代表して行うほうがうまくいくのです。