チャンスのときにはお金を惜しまないことが、お金を上手に使うコツです。
運よくチャンスが巡り回ってきたときには、お金をかけておかないと有効活用できないのです。
運よくチャンスがつかめても、お金を使わなければせっかくのチャンスが水の泡になりかねません。
先日、母が1人で東京に遊びにやってきました。
もともと母は出無精で父と2人で来る予定だったのですが、父が突然のけがで入院してしまうことになりました。
せっかく取った飛行機のチケットを使わないのはもったいないという話になり、母だけが1人でくることになったのです。
私と母は、東京観光では有名な「ハトバス」に乗って、東京を一回り観光してきました。
最後の観光スポットである東京タワーの展望台にいるときのことです。
そのときたまたま震度4の地震を受け、東京タワーのエレベーター点検のため、しばらく立ち往生してしまいました。
東京タワーの展望台で地震に遭うという経験も、珍しいものです。
30分ほど閉じ込められましたが、安全だということがわかり、地上に降りられたと思ったら、今度は電車が動いていません。
山手線をたどり羽田空港まで行くつもりだったのですが、電車も地震が起きたための点検をしていて、動いていませんでした。
「よし、それならタクシーだ」と思い、タクシーを捕まえようとしますが、全然つかまらないのです。
みんな予定があり、電車がダメならタクシーを使おうと同じようなことを考えていたのです。
約束や予定があるため、ほかの人も必死でわれ一足先にと言わんばかりにタクシーに手を振り、タクシーを捕まえてしまうのです。
しかし、帰りの飛行機の時間は刻一刻と迫っています。
諦めかけたとき、本当にたまたま空席のタクシーが私たちの目の前にすっとやってきました。
努力でも何でもなく、たまたまの運です。
「これだ!」というチャンスを得て、タクシーに乗った私は迷わず羽田までお願いします」と言いました。
この機会を逃しては飛行機に乗り遅れてしまうと思い、チャンスを生かすために、羽田までの距離なんて関係ないと思ったのです。
距離があろうが、お金がかかろうが、このチャンスを逃しては飛行機に乗り遅れ、大変なことになると思いお金をかけたのです。
もしこのときお金をけちって、電車が動くまで待っていたら飛行機には乗り遅れていたでしょう。
どこかのホテルに泊まらなければならないし、余計にお金が飛びます。
時間もお金も余計にかかり、実家に帰るまでに遠回りをしてしまうことになっていました。
チャンスを生かしきるために、タクシー代をけちることなくボンとお金を出したのです。
このチャンスにお金をかけた母は、ぎりぎり飛行機に間に合い、無事予定どおりに実家に帰ることができました。