私の父は、いつも新聞を片手にうろうろしています。
暇があれば新聞、車の中にも新聞、テレビを聞きながら新聞、朝食を取りながら新聞です。
仕事から帰ってきても夕食を食べながら新聞というくらいです。
仕事で必要な知識もあるのでしょうが、新聞を読むことで時の流れに後れを取らないようにしているのです。
また本棚には、たくさんの本が並び、何かいつも勉強をしているようです。
こうした読書の習慣を私はそばで見ていたおかげもあり、本を読むことに関してはあまり抵抗がありません。
楽しそうに読んでいると、楽しいものだと思ってしまうのです。
母も老メガネをかけて「漢字の練習をする」と言って、漢字を紙に書いて練習しています。
「年を取ると、ぼけてしまうから、ぼけ防止のためにやっている」と言います。
こうした勤勉さは、同じ屋根の下にいるだけに子どもである私にもすぐわかります。
いつも新聞を読んでいる姿を見ていると「そんなに面白いのかな」と新聞が読みたくなってしまいます。
いつも漢字を書いている姿を見ていると「ちょっと自分もやってみようかな」という気になります。
親の勤勉さは、意外なことに子どもにも伝染してしまう効果があります。
私が読書の習慣を持っているのは、裏で親の影響を強く受けていることに由来します。
親が勉強嫌いで新聞も読書もしない人なら、私も同じく活字を読むことによい印象を持ってはいなかったことでしょう。
子どもが最も強く影響を受ける習慣は、親の習慣からです。