道を歩いているとき、つまずいて転びそうになる瞬間があります。
足元の段差に気づかず、うっかり足を引っかけ、体勢がよろけます。
このとき、転ばないように抵抗すると、かえって大きなけがになることが多い。
上手に受け身ができず、体勢が中途半端になります。
下手な転び方をして、打ち所が悪くなります。
転ぶのを抵抗した結果、かえってけがを大きくさせてしまうのです。
こういうときは、潔く転んだほうが痛くなりません。
素早く上手に受け身の姿勢が取れるため、転んでも、ほとんど痛くないのです。
傷があったとしても、最小限になります。
転んでも、何事もなかったかのようにすっと立ち上がり、また元気に歩けるのです。
人生でも同じです。
しくじりそうになったとき「失敗したくない」と、無理に抵抗するのはよくありません。
無理に抵抗すると、失敗の仕方が中途半端になります。
中途半端に隠す、謝る、終わらせる。
処理が甘くなり、完了も中途半端になり、かえってダメージが大きくなります。
こういうときは、潔く失敗したほうがいい。
「失敗しそうだな」と思ったら、覚悟を決めてしまう。
「失敗したくない」ではなく「きちんと失敗する!」と切り替えます。
潔く失敗したほうが、厳しい現実を受け入れる準備ができるため、痛みが小さくて済みます。
潔く現実を受け入れるからこそ、失敗から学びや改善点も見いだせます。
失敗から教訓やヒントを得るので、対策を立てることができ、次からは同じ失敗をしなくなります。
頭の切り替えも早くなり、リカバリーも落ち込みの回復も早くなります。
「さあ、失敗するぞ」と覚悟が決まると、心の準備ができるので、痛くもかゆくもないのです。
失敗しそうになったら、無理に抵抗するのではなく、潔く受け入れましょう。
中途半端な失敗になるくらいなら、完全に失敗しましょう。
中途半端な失敗はつらいですが、完全な失敗は、つらいを通り超して快感になります。
潔く転んだほうが痛くないのです。