賢くなるためには、目的と手段を区別することが大切です。
「それくらいきちんと区別できている」という人も多いのではないでしょうか。
もちろん最初は区別できていたかもしれませんが、問題なのは、しばらく時間が経ったときです。
最初は目的と手段を区別できていても、いつの間にかすり替わっていることがあるため注意が必要です。
たとえば、貯金です。
「幸せと余裕を増やす」という目的があり、その手段として「節約」を心がけるとします。
毎日無駄遣いを避け、余計な消費は避け、こつこつお金を貯めていきます。
ところが途中から、手段であるはずの節約がエスカレートしていくことが少なくありません。
「とにかく節約がすべて」
「節約のためなら、何でもする」
「節約ができるなら、ほかは犠牲になってもいい」
節約がエスカレートした結果、喧嘩が増えたり、情緒不安定になったり、人間関係も希薄になったりする。
幸せと余裕を増やすための節約が、かえって幸せと余裕を減らす結果になっている状態です。
これでは、何のための節約かわからなくなります。
毎日節約のことばかりを考えていると、いつの間にか節約が最重要になり、手段が目的にすり替わることがあるのです。
また資格取得も注意が必要です。
「就職や転職を有利にする」という目的で、資格を取ろうと考える人がいるとします。
たしかに多くの資格を持っていたほうが、就職や転職になるでしょう。
資格取得を目指すのはいいのですが、夢中になっていると、途中でよからぬ方向に脱線することがあります。
「1つでもたくさん資格を取ろう」と考える。
「資格が多ければ多いほど、自分の価値も高まる」と思い込む。
資格取得にとらわれていると、視野が狭くなって、本来の目的を見失います。
資格取得に気を取られて、就職や転職のタイミングを逃すことになっては、何のための資格取得かわかりません。
就職や転職を有利にするために資格を取ろうとしていたにもかかわらず、いつの間にか資格取得が目的になっている状態です。
いくら資格の数が多くても、仕事に無関係なら、就職や転職に生かせません。
資格を取ることに注意が向くと、時間の浪費にもつながります。
気づけば、単なる資格マニアになっています。
資格を持つのはいいですが、手段が目的にすり替わると、時間やお金に無駄が生まれます。
どこを目指していたのかわからなくなり、途中で道に迷ってしまうのです。
あなたの仕事の目的と手段は何ですか。
目的と手段が明確に区別され、すり替わっていないか確認してみてください。
最初はできていても、途中ですり替わることもあるため、定期的な確認が大切です。
目的と手段を明確に区別することで、道に迷うことが少なくなります。