賢い人といえば、1人で物事を考え抜く人をイメージするかもしれません。
もちろん博識で、頭の回転も速く、思考力も集中力も高ければ、1人で正解を導き出すことも可能でしょう。
難しい問題でも、十分考え抜けば、正解が見つかる可能性が上がります。
しかし、賢い人とはいえ、考える力には限界があります。
「自分で何とかする」という意気込みと責任感は素晴らしいですが、一方で自分の限界を認めることも大切です。
1人の人間の知識や経験の量は、程度が知れています。
経験も、生きた年数の分量しかありません。
1人で考えることにこだわるのは、賢いとは言いがたい姿勢です。
相談をためらっているうちは、賢くなれないと言っても過言ではないのです。
そこで心がけたいのが、相談です。
上司・先輩・先生など、信頼できる人に相談してみましょう。
見栄や体裁を気にせず、恥を捨てるつもりで相談することが大切です。
「自分は今、こんなことで悩んでいる。どう思うか」といった趣旨で切り出せばいいだけです。
自分より豊富な経験とキャリアがあるなら、鋭い意見が聞けるかもしれません。
「そういう考え方もあるのか」と思うことで、解決策までの近道になる可能性があります。
正解が得られなくてもいいのです。
ヒントが1つでも得られるだけでも、十分な収穫です。
人に話すことで気持ちが軽くなるでしょう。
誰かに悩みを聞いてもらうことで、もやもやした気持ちを吐き出せ、心が軽くなります。
背中を押してもらえるだけでも御の字。
「自分の考え方が間違っていない」と思えば、再確認の機会にもなるでしょう。
相談は、人間らしい行為の1つです。
地球上に生きる生き物の中で、言葉と文字を操れるのは人間だけです。
せっかく高いコミュニケーション能力があるのですから、どんどん人に相談をして、人間らしい能力を活用すべきです。
時には、専門外の人の意見も大切です。
素人やアマチュアだからこそ、ユニークな視点や新鮮な発想があり、思わぬ発見につながることがあります。
さまざまな人の意見を聞くことは、多くの視点から考えることになります。
心の受け皿を広くして、幅広い意見を取り入れることです。
相談することで、自分の限界を超えた思考を発揮できるのです。