学生時代は、好きな友人と付き合っていればいいだけでした。
自分が好きな人と付き合っているだけでしたから、当然のことながらトラブルも少なく、不快に感じることもありませんでした。
自分が苦手で嫌いだなと思う人は、避けていればいいだけでした。
しかし、社会に出るとそうはいきません。
まず社会に出た人が一番大変に感じることは「人間関係」です。
社会の中で仕事をするのは、つまり人間関係のしがらみの中で仕事をするということです。
自分にぴったりの人と一緒に仕事ができるというのは珍しく、たいていの場合は自分とは似ても似つかない人と一緒に仕事します。
それも仕事ですから、付き合いを切るわけにはいきません。
たとえ大嫌いな人とでも、一緒に仕事をしなければならず、そのうえ毎日顔を合わせなければならないのです。
この経験は、社会に出て初めてすることになります。
これは、仕方ないことでもあります。
人間関係をどう乗り切るか、苦手な人とどう付き合っていけばいいのかを考える機会は、社会に出る前の学生時代にはないことです。
学生時代は、ただ嫌いな人を避けていればいいだけのことでしたが、できないのが社会なのです。
どれだけ楽しく仕事ができるかも、実はこの「人間関係」で決まります。
仕事がどれだけ楽しく感じるかは、仕事の内容が重要だと思っていませんか。
たしかに仕事の内容も大切です。
しかし、それ以上に大切なことは、人間関係そのものなのです。
意外なことかもしれませんが「何をやるか」より「誰とやるか」のほうが、楽しく仕事をするうえでは大切なのです。
私は予言者ではありませんが、あなたがまだ学生であるならば、社会に出たとき人間関係のトラブルに見舞われることでしょう。
あなたがすでに社会人なら、私の言っていることに、うなずきながら聞いていることでしょう。
あなたに限らず、みんな一度は悩んでしまうことなのです。
しかし、ここで逆の発想をしてみましょう。
仕事の楽しさは、人間関係で決まると言いました。
仕事がなかなか楽しく感じられない理由がそれならば、仕事を楽しく感じる理由もそれであるはずです。
つまり、人間関係に強くさえなれば、あなたは社会人として、世の中をうまくわたっていくことができるわけです。
私はここでは、仕事の方法や内容の話はしません。
仕事をするうえでの人間関係に対して、どうすればうまくやっていくことができるのかという「知恵」を紹介したいと思います。