社会に出て、苦労することといえば、やはり人間関係です。
人間関係は、社会に出た誰もが必ず経験する、課題です。
仕事の楽しさは、人間関係で決まるといってもいいでしょう。
そのくらい人間関係は、仕事に激しく影響を及ぼします。
学生時代では好きな人同士と一緒にいれば、それですみました。
嫌いな人や苦手な人とは、付き合わなければいいだけです。
しかし、社会ではそうはいきません。
嫌いな人、苦手な人と一緒に仕事をすることはもちろんのこと。
顔も見たくない、声も聞きたくない、近づきたくもない人と、毎日一緒に仕事をしなければならない地獄は、社会ならではです。
社会に出た人は、みな人間関係に苦労をして、そうして少しずつですが「本当の人付き合い」ができるようになります。
できるようになるというのは、自分が変わっていくからです。
この世にはさまざまな人がいることを知り、自分の考えを相手に押し付けるようなことができなくなります。
性格的に「丸く」なるのです。
社会生活は、上流から下流へと流れる川に例えることができます。
川に流れる石ころ一つ一つが、人間と考えましょう。
川の上流では、どの石も大きくて、かどがあります。
一つ一つの石にかどがあり、偉そうにしているものです。
硬くて、でこぼことしているため、石同士は激しくぶつかります。
その衝撃によって、かどが少し取れます。
次からは、ぶつかったときの衝撃が和らぎます。
ぶつかるたびに、最初にあったかどが、どんどんと取れます。
下流に流れていくにつれて、少しずつ石が丸くなるのです。
流れていくにつれ、石同士がぶつかり合い、かどが少しずつ取れて、丸くなります。
人間関係も同じです。
はじめこそ人同士のぶつかり合いが多いのですが、自分にまだかどがあるからです。
自分というエゴが強く、自分が一番偉いと勘違いをしているから、激しくぶつかることになるのです。
嫌いな人と一緒にいたり、苦手な人と一緒に仕事をしたりすることで「どう対応すればいいのか」がわかるようになります。
初めはどう接していいのかわからなかったことですが、だんだんポイントがつかめ、自分の性格も丸くなります。
石同士がぶつかることで、かどが取れ、丸くなっていくことと同じです。
人間関係に慣れていない人は、かどがあるからこそ痛みを感じ、強くあたってしまいます。
人間関係で揉まれることは、かどを取り、人間的に丸くなっていくための試練なのです。
理想は、下流に流れる石のようになることです。
下流に流れる石はどれも小さくて、丸い。
それは謙虚であり、性格が丸くなっているということです。
姿形こそ小さいですが、だからこそどこへ行ってもやっていける力をつけています。
社会で人間関係に苦労することは、問題ではなく、それも「欠かせない経験の1つ」です。